トレイル探索


趣旨:実際にバイクが走ることのできるトレイルを探し、MTBの世界を少しでも広げる


10 トレイルを作ってみる

【はじめに】

いままで、トレイルを探すことをテーマに活動してきた。

今回は、既存のトレイルを探すに留まらず、まったく新たなMTB用のトレイルを作る、という活動に参加してみることにした。

たしかに、身近に走れるトレイルがないならば、新たにトレイルを作る、というのも選択肢の一つだろう。ただし、どこでも勝手に作っていいものではない。当然だが。

朝起きたら、自分の土地にトレイルが出来ていた、わーい、うれしい、と思う土地所有者は、たぶんいないからだ。

また、自然公園法など、特定の土地の形状を勝手に変えることを禁じている法律もあるので、十分に注意するべきだろう。土地所有者の了解を取っていても、これら法律に抵触すると大変なことになる。罰則規定もあるし。むう、、、急に文章が硬くなってしまった。

今回作った「土留め」


★注意すること

・土地所有者の了解を得ないとおこられる

・自然公園法など法令に触れるとおこられる


【現地の状況】

今回、お世話になったのは、とある高原でMTB・カヌー・トレッキングなどのガイド業を営むSさん。彼の呼びかけに応じ、ショップを通じて3名の屈強なMTB乗りと、1名の脆弱なMTB乗り(オレのこと)が、肉体労働のために集まった。バイクで試走する必要があるので、KLEIN FERVORも持ち込みました。

この場所に関しては、すでに土地所有者である財産区からの了解を得ており、また、行政当局に相談の上、法律上の問題もクリアしているという。ただし、財産区との取り決めで、太さ8センチ以上の樹木は伐採できないそうだ。ここまできちんとしていると、闇でトレイルを作るのと違い、まったく後ろめたくないだろう?


【装備】

ブヨ対策のため、長袖、長ズボンは必須だ。さらに首周辺にスプレー式の虫除けを塗り、さらに携帯用電気式吸血昆虫忌避装置「どこでもベープ」をベルトループに装着する。羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くだと?いや、このくらいやらないと、ブヨアレルギーのオレの場合腫れ上がってしまって、危険だ。あとは、グローブ、帽子、サングラスといったところだろうか。グローブがないと手をブヨに噛まれるよ。

今回、同行した方が、手ひどくブヨに噛まれてしまった。オレは幸い噛まれなかったが、、、防護策はやはり必要だ。インセクト・ポイズン・リムーバー(*)をポケットに入れてあったので貸してあげました。毒を吸い出さないとアレルギーで皮膚が膨満してひどい目にあうので、気を付けよう。

(*)こういう注射器状の器具。1500円くらいなのでみんなも買っとけ。http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/remover.htm


【普請その1】

さっそくコースを検討する。スタート地点から30メートルは現状のシングルトラックが使えるが、その後、右上がりの片斜面となる。右折して下りに入るのだが、この右上がりの片斜面のせいで右折が困難となっている。まっすぐ走る分には片斜面でもいいんだが、山側への右折は逆バンクになるため極端に難しくなる。

これが片斜面

そこで、片斜面を解消する普請を行った。高くなっている右斜面を削り、低くなっている左斜面に埋めるというものだが、左斜面には土留めが必要だ。でないと、土が下方へ流れてしまい、また片斜面になってしまう。幸い、板がふんだんにあったので、これを利用して土留めを作る。

土留めの作り方だが、板を垂直に立てかけ、それを固定するために杭を打つ。

片斜面が解消され、格段に走りやすくなった

削ったり埋めたりする道具としは、クワ、シャベル(円匙)ですな。クワは植物の根を切るのが得意だ。さすが本職、いつも農作物を相手にしているだけあるぜ(?)。むしろ、こうした道普請の場合はクワが相当有効だということがわかった。クワーッ!

ここまで2時間。昼食をごちそうになり、再開します。


【普請その2】

さきほどの片斜面普請した場所を、右折して下りに入った後、わりと低まった場所に出るが、ここにはつねに水が溜まっており、晴れた日でもじとじとしている。どうやら、この低湿地のさらに下には、ヒューム管という排水管が入っているようだ。つまり、際限ない泥沼ではないのだ。そこで、この部分を30センチほど堀り上げ、できた穴に丸太を埋めて、さらに土をかぶせることにより、低湿地を改善することにした。

完成後はこんな感じ。これで走りやすく、また、水分を除去したので道も傷まなくなった。

これでもう背中が汚れることもない

一応、短いなりにコースが出来たので、何度か試走させてもらいみました。メーター読みで、距離は190mだ。まあ、最初はこんなもんなんだろうか?

ここまでさらに2時間。時間切れのため、今回はここまで。あとはクワ、シャベルなどを側溝で洗い、終了となりました。


★わかったこと

・5人がかりで5時間かけてようやく2か所の普請ができる

・工夫次第でいかようにも道普請は可能

・外で食べる昼食はうまい

・ブヨに刺されると36時間をピークに腫れ上がる


このあと、温泉に入って家に帰りました。


【まとめ】

今回作ることができたのは、190mのみ。短いが、舗装道路を組み合わせると300mくらいになるだろう。また、今回許可された場所には、まだ道を作る余地がある。こうした普請を続けていくことにより、長いトレイルを作ることができるだろうが、、、労力が相当必要なこともあり、それはまだ今後の話でしょうな。

まあ、トレイルづくりは気を長くもつ必要がある、ということだろう。



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