FAQ よくある質問


オールド・クラインとはなにを指すのですか。

このサイトにおけるオールド・クラインとは、96年以前のクラインバイクで、デフォルトでクライン・プレシジョンBBを持つものを指します。


オールド・クラインに乗り換えるメリットを教えてください。

シングルトラックやヒルクライムにおける相当のアドバンテージを得ることが出来ます。軽量なことと、操縦性の面であらゆるバイクを上回っています。デメリットは、下りで手がしびれること(リジッドバイクの場合)、特殊規格の部品の調達に苦労することです。この場合、メリットはデメリットを上回っています。


オールド・クラインは現代のバイクパーツと互換性があるのですか?

互換性は、一部あり、一部ない、というのが回答です。オールド・クラインMTBの中には、リアエンドの幅が130mmと135mmのものが存在するようです。130mmは相当古いモデルですが、これには8−9速のドライブトレーンは装着できません。(ロード用のハブを使用する裏技があるようですが、試したことはありません。)

オールド・クラインのクライン・プレシジョンBB(圧入BB)には、オクタリンク・クランクは装着できません。圧入BBをオクタリンク対応のものに交換すれば装着は可能となります。また、リアVブレーキ、リアディスクブレーキは(リジッドフォークモデルにおいてはフロントディスクブレーキも)改造なしで装着することはできません。


オールド・クラインの弱点はなんですか。

最大の弱点は、クライン・プレシジョンBB(圧入BB)と、塗装の色褪せです。この二つさえ克服すれば、クラインは最強のシングルトラック・バイクと言えるでしょう。


もうオールド・クラインは生産されていません。どうやってオールド・クラインを入手するのですか?

中古バイクを購入する方法と、デッドストックを購入する方法があります。中古バイクの購入には、個人売買、ネットオークションなどの方法があります。行きつけのバイク屋さんから、オールド・クラインに乗っている人の情報を収集すれば、直接交渉への道が開けるでしょう。


近所の人が古いクラインを捨てようとしています。塗装の痛みが激しいみたいなんですが、どうしたらいいでしょうか。

クラックがなければ、すぐ交渉してください。「バイクって、粗大ごみ扱いなんで捨てるときお金がかかるよ。タダで引き取ってあげるよ!」と。


フレームにクラックが入っているのですが大丈夫でしょうか?

結論からいうと、そのバイクには乗らないことです。シングルトラックで使用するには、フレームは完全な状態にあることが必要です。ドロップオフを降りているときにフレームが折れたら、乗り手の生命に危険が及びます。


オリジナルのリジッドフォークが付いてない出物があるんですが、買うべきでしょうか。

どうしても我慢できなければ買ってもいいと思いますが、リジッドフォークだけの出物を待つには相当の忍耐力が必要となるでしょう。


オリジナルのリジッドフォークは付いていないんですが、サスペンションフォークがついている出物がありました。これは買うべきでしょうか?

サスペンションフォークが好きならば買っても良いと思います。ただし、今後のサスペンションフォーク交換には相当の困難が予想されますので、そのフォークを大事に使っていく必要があります。なお、PULSEについては現行フォークが無改造で装着できますので心配は無用です。


オークションでの価格が高すぎて購入できません。

異常に高いと思います。10年前のバイクが20万とか30万円は高すぎる。適正価格は7−10万円くらいではないか。あまり高い出物は、忘れた方が精神衛生上いいと思います。


オークションで買うときに気を付けることはなんですか?

リアエンド幅、へこみやクラックの有無、BBの有無、チェーンコントロール・デバイスの有無、改造の有無をオーナーに確かめる必要があります。


チェーンコントロール・デバイスとはなんですか?

BBシェル直下のチェーンステイに付いている、チェーン噛み込み防止金具のことです。


写真を見ただけでは、年式がよくわからないのですが。

アティチュードの場合はこの年表を参考にしてください。その他のモデルはこの同定表この年表を参照してください。


10年前のバイクを買うなんて間違っているのではないですか? 常に技術は進歩しているのですよ。単に古いものが好きなだけの、マニアックな行為としか思えません。

そう思っていただいて構いません。

ところで、技術は時とともに進歩するという考えは、必ずしも正しくありません。実際の科学の歴史を見ると、それがわかります。徳川時代の火縄銃のように、200年間、ほとんど進歩を停止した技術もあります。また、技術的な連続性を経ないで突然出現した技術については、何年を経ても追いつけないことがあります。アリスタルコスの天球儀、中国の羅針盤、ブレゲ氏の時計、BMW航空機用エンジン自動制御装置「コマンドゲレート」などがよい例です。クラインも、それ以前のバイクとはかけ離れた発想で作られているので、私はこうした例と同じであると考えています。


フレームを手に入れたのは良いが、思ったよりも塗装が色あせ、傷んでいます。どうしたらいいでしょう?

古いクラインの塗装は、わりあい経年変化によわいようです。つまり、色あせしていることが多いのが実際です。修復する方法は、塗り直す以外にありません。色あせはタッチアップなどで修復することはできません。むしろ、自分の好きな色に塗り直した方が精神衛生上よいと思います。


自分で、スプレーなどを使って塗装できますか?

自分で塗装しても、納得のいく結果は出ないことが多いです。プロに任せたほうがいいと思います。また、スプレーなどでは密着力が弱いのでバイク用の塗装としては不向きです。(剥落します)


クラインを再塗装するとは、気は確かですか。塗装はクラインの最大の魅力でしょう?それを剥離してしまっては、価値が半減するのではないですか?

オールドクラインは、利殖のために持つバイクではないので、塗装を剥がしたからといって価値が半減するわけではありません。また、オリジナルの塗装は最大の魅力だったかもしれませんが、色褪せしているバイクに乗り続けることは最大の魅力とは言えません。色褪せしたオールドクラインは、自分の好きな色に再塗装するべきです。


リアブレーキをVブレーキ化するのに、ケーブルルート後方の孔を広げるのが怖くて出来ません。どうしたらいいでしょう?

勇気と丸棒ヤスリがあれば出来ます。わずか1mmほど広げるだけです。やるときには丸棒ヤスリでゆっくり、慎重に広げてください。くれぐれも電動ドリルなどを使用してはいけません。フレーム自体が破損します。でも、孔を広げる代わりに、フルアウターハウジングにして、フレームにジップタイで結束するのも悪くないとおもいます。


ケーブルルート用ストローをフレームの中に落としてしまいました。どうしましょう?

フレームを振って、ヘッドチューブにあいている穴から出すしかないです。もし、どうしても出てこない場合は、落としてしまったストローに名前を付けましょう。「ポチ」とか「ミケ」とか「ルナ」とか。「オレはフレーム内にミケを飼っている」という話の種になります。


ワイヤー交換のとき、勢いで、ついアウター、インナー両方のワイヤー、そしてストローまで抜いてしまいました。抜いてしまってから気づいたんですが、どうやってフレーム内を通すんですか?

全部抜ききってしまうと後が大変です。アウターだけをのこし、インナーを交換するとか、インナーだけを残しアウターを交換するとか、どちらかにするのが常道です。間違って全部抜いちゃった場合は、ワイヤーの先端に、瞬間接着剤で糸をつけて、途中まで通してから外の開口部をふさぎ、掃除機で糸を吸いだして通すという最終手段があります。ストローは、ワイヤーを一度通してから挿入してやります。その後、アウターハウジングを通せばよいです。


ケーブルルート用ストローはどこで入手できますか?

「高圧ナイロンチューブ」という名称で、工学系の材料店(大学に材料を卸しているようなところ)や電気部品店で入手できるかもしれません。


クラインが盗難されました。どうしたらいいでしょう?

まず、警察に届けることです。そして、バイクの特徴や写真の入ったチラシをつくりましょう。特殊な整備が要求されるバイクなので、スポーツバイク専門店に持ち込む可能性があります。そこにチラシを送ります。そのためには、自分のバイクのシリアルナンバーを記録しておくと決定的証拠になります。シリアルナンバーは、写真に撮っておきましょう(今すぐにだ!)

あとは、見つかるのを待つしかないのが現状ですが、、、防衛手段もあります。まず、町乗りには使用しないこと。山で乗るときにはほとんど盗難の心配はないでしょう。レースの時は、けっこう盗難の危険があります。駐車場に置きっぱなしにしない、戦友にバイクを預けてトイレにいく、車の屋根には積まない、高速道路のサービスエリアではとくに注意する、などといった手法が考えられます。

ところで、クラインを盗んだ者は百万回呪われ、まるでプロメテウスのように、生きながら腹をなまくらなクランクセットで引き裂かれ、むき出しになった内臓に真っ赤に焼けたクライン・プレシジョンBB(ロックタイト塗布ずみ)を押しつけられるという、過酷な責苦を永遠に味わうという伝説を聞いたことがありますので、ドロボー諸君はご自愛ください。


シリアルナンバーはどこに刻印されていますか?

BBシェルの下側に刻印されています。


オールド・クラインに関する公的な説明書はありますか?

クライン社が作成したPDFによるマニュアル(96年モデル以前)があります。→ココ 350KB


フレームを輸送する方法はなにが一番いいですか?

フレーム自体は2kg前後と軽量なので、箱に入れてしまえばヤマト運輸の「ヤマト便」などで割と安価に輸送することができます。輸送用の箱はバイク屋さんでゆずってくれると思います。ただし、完成車となると輸送料は相当高くなります。


輸送時に気をつけることはなんですか?

フレームがつぶされないように充分なクッション材料を入れる必要があります。また、フォークエンドとリアエンドに古いハブなどを噛ませておくと安全です。


メンテナンス上、とくに気をつけることはありますか?

ありません。とくにフルリジッドのクラインの場合、ドライブトレーンの整備だけで十分です。


どの程度まで自分で整備できますか?

MCのヘッドベアリングやBB交換以外は、スポーツバイクを整備できるレベルのバイク知識で整備できると思います。逆に言えば、いざというときのために、ヘッドベアリングやBBのメンテナンスが出来るショップを知っておく必要がある、ということです。


街乗りに使いたいのですが、おかしいでしょうか?

結構だとおもいますが、個人的にはお奨めできません。F1カーでコンビニに買い物に行ったり、蚊を退治するのに対戦車ヘリを使うようなものです。


シートポストがなかなか入っていきません。シートポストのサイズが間違っているんでしょうか?

クラインのシートチューブサイズは27.2mmか31.6mmのどちらかです。これを間違わなければ必ず入ります。オールド・クラインのシートチューブは非常に精密に作られていて、非常にタイト。現代のバイクと違い、なかなか入っていきませんが、そのことで水や泥の侵入を防いでいます。なお、最近のクラインは、シートカラー部分だけで締め付ける手法を取っており、シートチューブはけっこうゆるめに作られています。


MC(ミッションコントロール)のバーに、バーエンドをつけようと思いますが、大丈夫でしょうか。

MCのバーには、肉薄であることに加え、内部になんら補強材が入っていません。実際にバーエンドをつけると、バーが曲がってしまう可能性が大きいといえます。基本的に、MCにバーエンドを付けるのは止めた方がいいでしょう。


なぜあなたはそんなにオールド・クラインが好きなんですか?

ゲイリー・クラインの明快な思想に共鳴したんですよ。そして、ほかのバイクとはまったく違うことが最大の魅力ですな。




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