KLEIN定点観測
KLEIN(クライン)のバイクに関する様々な話題を紹介します。
2004/12/22
転勤、さもなくば、、、(後編)
(承前)
しかし、Mountain bike Actionの2001年10月30日付記事は、Trekの公的コメントとは異なる内容を伝えていますな。
http://www.mbaction.com/detail.asp?id=413
取材したMountain bike Actionに対し、クラインの従業員の1人はこう語っています。
「Trekの人間が(Chehalisに)やってきて、(工場移転の)ニュースを告げるや、回れ右して去っていった。」
「人事部門の人間が1人、我々に対する退職手当(Severance Package)支給のために残っただけだった。」
「私自身はウォータールーでの職を斡旋もされていないし、私の知る限り(Chahalisの)従業員の多くはウィスコンシンへの転勤を望んではいない。クラインは移転前と同じ企業とは言い難くなると思う。すぐれた技術を持った(Chahalisの)従業員は転勤はしないだろう。」
Mountain bike Actionのこの取材に対し、TrekのスポークスマンMark McCubbinは、従業員に対してはウォータールーへの転勤を斡旋すること、2月の工場移転までChehalisで働く従業員に対して退職手当を支払うこととしたことを述べ、上記の従業員のクレームに対してはさらなる調査を行い、Mountain bike Actionに返答するとのことでした。
しかし、今のところ主宰はこの返答に関する文書をweb上で発見していません。また、果たして何人のChehalis従業員がWaterlooへ転勤したのかも不明です。
もともとKleinが80年代にChehalisに移転して以降、地元企業として成長してきたことなどを考えると、多数の従業員は、数千キロ離れた中西部への移動よりも、退職の道を選んだのではないでしょうか。
推測ですけどね。
2004/12/17
転勤、さもなくば、、、(前編)
だいぶ遅いニュースで恐縮ですが、この度、Kleinの2002年2月の工場移転について、いくつかの検証を行ったので、今後数回にわたって書くことにします。
http://www.bikepro.com/impressions/klein-trek.html
そもそも、もう御存知のとおり、Trekがクラインを買収したのは,1995年6月16日であり、買収後もGary Klein自身がPresidentとして残ることが記されています。
(また、この文書には買収以前は、クラインはTele marketingのみ、つまり実際に営業に回るセールススタッフを置いていなかったことがわかりますが、、、これは余談です)そして、買収から6年半後の2002年2月に、工場移転が行われています。
今回の定点観測では、移転がメディアによってどのように報じられていたかについてを検証していきたいと思います。
http://www.bikemagic.com/news/article/mps/UAN/2266/V/1/SP/328791336744364968562
Bikemagic誌は、2001年10月31日付で、Bike Magicがクラインの生産部門が、2002年2月にウォータールーへ移動することについて報じています。Trekによれば、この移転は、より競争力のある製品を作り、開発期間を短縮し、エキサイティングな2003年モデルを作るためのものとのこと。この際に、クラインの従業員は、ウォータールーで以前と同様の仕事をすることができる、と報じられていました。これだけだとTrekによる良心的な申し出と思えますがね。これは、Trekによる公式コメントと思われます。
これは、一般紙Bisiness Journalが2001年10月29日に伝えたところと同じです。
http://www.bizjournals.com/seattle/stories/2001/10/29/daily33.html
ここでは、TrekのスポークスマンMark McCubbinが、シェヘイリス工場は50000平方フィートの広さがあり、60人の人間を雇用している、と述べていました。
ここまでは、Trekによる公式発表がベースとなっています。しかし、現実はどうだったのだろうか。
(続く)
2004/12/03
Sycipとは
MaverickのMono-Linkデザインのライセンスで話題になったSycipですが、これはどのような会社かを調べてみました。米国カリフォルニア州ソノマを本拠とするマイクロビルダーのようです。
製作できる素材はクロモリ、アルミ、チタン。規定サイズ以外にフルオーダーにも応じていますな。また、色は限定されますがパウダーコート塗装も行っているとのこと。クロモリフレームは1700ドル、チタンフレームは2500ドル前後。だそうです。ちと高価かな。
ハードテール、フルサスペンション、シングルスピード、26インチBMX、ロード、シクロクロス、タンデムとなんでもやるなあ。リジッドフォーク、ハンドルバーとステム一体型コンボなども作っているようです。
まだまだこのような意欲的なビルダーがいるのですネ。
2004/11/03
Team Maverick
Team Maverickが活動を行っていました。
http://www.maverickamerican.com/maverick_athletes/abby_ariel.aspx
チームを構成するのは
Abgail Hippley(Abby) とAriel Lindsleyの2人。女性と男性のデュオなんですな。
Maverickといえば、ML-7と呼ばれるオールマウンテンバイクが有名ですが、実は彼らが使用しているバイクは、なぜかKlein Palominoです。フォークはMaverickのSC32を使用しています。
彼らは主に24時間レースなどのロングライドに出場しているようで、会場にはMaverickの赤いバンで乗り付けるとのことです。
なぜPalominoを使用しているのかいうことについては、理解に苦しむところ。自社のML-7を使えばいいのでは?と素直に思うんだが、、、
【考察】
Team Maverickの活動具合といい、KleinのMono-Linkデザイン採用といい、Kleinの2005年モデルがMaverickのフロントサスペンションを採用していることといい、Maverick AmericanとTrekグループは最近、接点が多く見られます。資金提供を含めたなんらかの業務提携を行っているのかもしれません。もしかしたら、Trekは外部R&D機能としてMaverick Americanを位置づけているのかもな。あくまで推測ですけどね。
2004/10/18
兄弟車探訪
2003年モデルから導入されたフルサスペンションモデル・Palominoは、Maverick American社のリアサスペンション"MonoLink"プラットフォームを導入しています。
もともとMaverickのモデルをKleinの工場で委託生産していたこともあり、このライセンス契約はスムーズに進んだようですな。
実際のところ、Maverickはさまざまなメーカーに、このプラットフォームをライセンスしています。ざっと探しただけでも、同一プラットフォームを使用したモデルは、下記のとおり。
1 Maverick American ML-7
2 Seven Duo
3 Seven Duo-lux
4 Klein Palomino
このプラットフォームの特徴は、シートチューブとダウンチューブの接続点、BBとチェーンステイの接続点の2か所にピボットを設けているところ。この構造により、後輪は斜め後方寄り15度の角度で上方に動くこととなるとのこと。Maverickによれば、こうした動きは後輪の路面追随性を向上させ、効率的なトラクションを得る、としていますな。
Palominoは2003年モデルではFOXのリアサスユニットを採用していましたが、2004年モデルからはMaverickのユニットに変更になりました。より一層Maverick色が強くなったといえる。
個人的には、このシンプルなプラットフォームは非常に好きなので、もっといろんなメーカーに供与して欲しいですな。
Maverickは、かつて、基本構成がML-7と同一なReposadoというXCバイクを作っていたようですが、今はカタログ落ちしています。
Singletrackなどで報じられていた、Sycipというメーカーがライセンスの供与を受けたという報道については、
http://www.drewish.com/osr/osr_issue_3.pdf
OSR’s newsroom has just received word that Sycip canceled testing a single speed frame licensing technology from Maverick American. Partially due to Klein receiving exclusive licensing for the design, Sycip also reportedly encountered problems keeping a consistent chain tension with the Mono Link design.
Sycipは、Mono-Linkデザインを用いたシングルスピードバイクを計画していたが、チェーンテンションに問題が発したのと、Mono-Linkライセンスが、当面クラインに独占(?)供与されたのとで断念した、とあります。シングルスピード+サスペンションというのは斬新なアイディアですな。実現しなかったのは残念。
KHS社にはソフトテールのシングルスピードMTBがありますが、2004年現在日本には導入されていません。
2004/10/08
まず、注目すべきはリペイントプログラム。Pre-TREKの、いわゆるオールドクラインも対象となっているんですね。ただし、もはやシェヘイリス工場はありませんので、トレックのウォータールー工場でのペイントになるはずです。また、日本のトレック・ジャパンで受け付けるかどうかは未確認ですが、FAQを読む限り可能と思われますけどね。
そして、ついにドイツのRESETがオールドクライン用の公認アフターパーツとなったみたい。これは画期的なことだろう。
この8つの質問から判断して、米国TREKに寄せられる「よくある質問」にはけっこうPre-TREKに関する質問があったということで、まだまだ米国でもオールドクラインに乗っているライダーが多いことを反映しているのかもしれません。
全般的にみて、Pre-TREKのバイクにも、ある程度のアフターサービスを行おうとする意図が感じられますな。
また、Mantraについて書かれた回答が2つ含まれていることから、このFAQ自体は割合古い時期(2000年前後)に作られたものなのかもしれません。
2004/10/03
パーツの入手方法とアップグレードの方法とはどのようなものですか。
オリジナルのミッションコントロール型内蔵ヘッドセット(直径2インチのベアリングを上下に持つタイプ)をもつフレームは、 ほとんどのクラインディーラーで入手できるプロブレム・ソルバース社の1 1/8"リデューサーキット(QBP # HD9903)を使用すれば、通常の1 1/8"フォークの使用ができるようになります。
ドイツのスペシャルティ・コンポーネント製作会社のリセット社も、オリジナルのヘッドベアリングを入れ替える変換システム (Reset # 1114)を用意しています。1989年から1993年型アティチュード、アドロイト、アデプトに適合します。
MC2、MC3エアヘッドセット(下側ベアリング2インチ、上側ベアリング1.75インチを装備したフレームは、1 1/8"リデューサーキット (Reset # 1114-1)を使用すれば、通常の1 1/8"フォークの使用ができるようになります。1994年から1999年型アティチュード、アドロイトに適合します。
また、リセットは第2世代のMC3(MC3.1)をもつフレームのためのリデューサーキット (Reset # 1114-2)も用意しています。1999年以降のマントラ・プロ、1999年以降のアドロイト・レース、アドロイト・プロに適合します。
これらのリデューサーキットを用いて、別のハンドルバーとステムを使用することもできますが、リセットの提供する(Reset # 1114-3)を使用すれば、オリジナルのハンドルバー/ステムコンボを使用することもできます。
マントラに適合するショックのサイズは?
リアショックのサイズは下に示すモデルイヤーのとおりです。オリジナルのマントラ・プロ(訳注 1996年型?)の内蔵式専用ショックは交換できません。
(訳者注 リアサスユニットの構造に不案内なため、この表の翻訳に限界が生じました)
Model Year Eye to Eye Length Stroke Eyelet Width 1997-1998 6.75" 1.75" 7/8" (top & bottom) 1999-present 7.875 2.5 7/8" (top & bottom) 内蔵ケーブルルーティングの正しい使い方とはどのようなものですか?
貴方のクラインフレーム、フレームセット、フューズラージは、あらかじめ内蔵ケーブルのスリーブが挿入されているはずです。これにより、ケーブルの挿入が簡単になっています。リアブレーキスリーブの場合ですが、一度ケーブルを通してから、スリーブを除去することをすすめます。これを残しておいた場合、フレームの中でケーブルが余分な長さになってしまうことから、かたかた鳴ったり、スポンジーなブレーキの感触になってしまうでしょう。これは、ロードモデルと、2002年(訳者注 2002年以前?)のATBモデルの場合です。(2002年以降のモデルの場合は、外装ケーブルとなっています。)
ケーブルを通したら、出口側のケーブルストップを装着する必要があります。
最初にルブリカントを一滴、ケーブルストップに垂らし、それからパンチか広めのドライバーなどの工具(3ミリTハンドルアレンレンチでもよい)をハウジングストップにあててハンマーで、フレームのへこみ部分の孔にぴったりはまり込むまで軽くたたきます。
ガイドスリーブは、将来のためにとっておきましょう。もし、交換用のガイドスリーブ (part# 62089) や出口側のケーブルストップ(part# 994428) が必要な場合は、クライン認定ディーラーで注文できます。
もし、ケーブルの整備や交換が必要な場合には、ケーブルを抜く前にガイドスリーブを挿入しておきます。もし、ガイドスリーブを挿入する前にケーブルを抜いてしまったら、再びガイドスリーブを挿入することは難しくなります。多くの場合、ガイドスリーブをフレームに入れるのは非常に骨が折れますし、何度も失敗するような状況に陥るでしょう。この場合、ケーブルストップを外せば、幾分容易になるかもしれません。この作業は、クライン認定ディーラーで行ってもらうことを強くお薦めします。さらに、内蔵ケーブルについて詳しく知りたい場合は、オンライン・テクニカルマニュアルをご覧ください。
クラインはアスリートのスポンサーとなりますか?
多くの場合、クラインはチームをスポンサーしますが、個人のスポンサーとはなりません。アマチュアチームのスポンサーシップについては、クラインのディーラーを通じて行っています。スポンサーシップの希望については、最初にクラインのディーラーに申し出てください。すべての希望は、地区マネージャーに伝えられることになります。クラインのディーラーと関係なくクラインのオフィスに送られたスポンサーシップ希望はかなえられることはありません。
2004/09/28
クラインが米国向けサイトでFAQ(よくある質問)を公表していました。(たぶん、ずいぶん前に、、、)恥ずかしながら、最近気づきました。
今回から、2回にわたって日本語訳を掲載します。
なお、このFAQは、2004年9月28日現在、クラインの米国サイトに掲載されていたものです。変更の可能性がありますので十分ご注意ください。
クラインにラックやフェンダ−を装着することは可能ですか?
我々はハイパフォーマンスのロードバイクとマウンテンバイクを生産することに集中しています。このため、超軽量・肉薄のチュービングとマイクロドロップアウトを採用していますが、これにより、直接、フレームにマウント(特にラックマウント)を設けることが制限されています。このため、別の手法によるラック/フェンダーシステムを使うことをお薦めします。シートポストマウントのラックは、とくにフルサスペンションのクライン・マントラに有効です。フェンダーとしては、クラインディーラーで容易に手に入るクイックアタッチフェンダーを使うことをお薦めします。
オリジナルの補修ペイントは、どこで入手できますか?
クライン純正のタッチアップペイントはお近くのクライン認定ディーラーで入手できます。そこで注文を受け付けるはずです。しかし、クラインにおいては、マルチステップ・レイヤリングプロセスにより作成された塗装色が多数、設定されています。このためこうした色彩のタッチアップペイントを提供することはできません。
現在、タッチアップペイントとしては40色を提供しています。もし必要な色彩が提供されなかったり、既に入手できなくなっている場合には、自動車用のタッチアップペイント、テスター社の模型用ペイント、マニキュアを使用することをお薦めします。
フレームのへこみは問題でしょうか?
クラインのチュービングは比較的薄く、超軽量です。同時に非常に頑健であり、粗略な扱いやダメージに耐えることができます。このフレームは、あらゆるへこみを許容することはできません。構造上の剛性はそれほど重要なものではありませんが、ダメージはその程度と場所により大きな影響を及ぼす可能性があります。ダメージを受けたフレームは、使用前にクライン認定ディーラーで点検・評価されるべきと考えます。へこみを隠す塗装や、構造的にへこみを直すサービスは行っておりません。しかし、米国内のみですが、事故によるフレーム交換プログラムを提供しています。詳しい説明はクライン認定ディーラーでどうぞ(米国内のみ)。
クラインのフレームを再塗装することはできますか?
はい、できます。純正の再塗装サービスは、クライン認定ディーラーや米国外の取扱社を通じて受けることができます。オリジナルのリジッドフォークとミッションコントロール・バー/ステムシステムも、再塗装できます。また、1996年から1998年にかけて生産されたパルス・シリーズも、現在のトレック標準色で再塗装できます。詳しい説明はクライン認定ディーラー・米国外の取扱社でどうぞ。
2004/09/04
米国クライン社が2005年モデルを発表していました。
http://www.kleinbikes.com/us/home.html
モデルは次の通り。
●マウンテンバイク
Attitude ハードテール
Palomino フルサスペンション
●ロードバイク
Q-Pro ホリゾンタルトップチュ−ブ
Re've スロ−ピングトップチュ−ブ /リアサスペンション
2005年モデルとして先行発表されていたRe'veがラインナップに追加されました。そのかわり、スローピングトップチューブのAuraが、わずか1年でカタログ落ちしました。
マウンテンバイクは、すべての完成車がディスクブレーキ化されました。なお、Attitude XX とPalomino XVについては、Maverick American社のFフォークSC32が採用されました。
Palominoの完成車はXV(XT相当)のみとなりましたが、AttitudeはXX disc、 XV disc、V discという構成になりました。
ジオメトリーについては、既存3機種は変更はない模様。Palomino以外はフレームセットの価格が記載されています。このことから、Palominoのフレームセット販売が行われるかどうかは未確認です。
9月3日(JST)現在、まだカスタムペイント色については発表されていません。発表され次第報告したい。
(訂正)
Q-Proにもフレームセットの価格が記載されていません。見逃してた、、、後で発表されるかもしれませんが、不明です。
考察今年も若干の整理が行われました。
Auraをわずか1年でカタログから外したのは、セールス面でQ-proと競合していたからではないか。昨年度のAuraは、まるでスローピングしたQ-proで、違いが明確でなかった。ここで、まったく競合しないリアサスペンション付きロードバイクRe'veを投入するのは戦略的に理解できますな。
以前にもお伝えしたように、Re'veはスローピングチューブとS.P.Aリアサスペンションユニットを備えたロングライド/ツーリング用バイクである。
MTBラインでは、Attitudeの完成車を再び手厚くしている反面、Palominoの完成車を1車種のみにしています。(増加する可能性はないとはいえないが、、、)
また、Maverick American社の倒立フォークSC32を投入しています。これは椀飯振舞といってもいいんじゃないかな。PalominoはほとんどMaverickの技術支配下にあるといえるかもしれません。
個人的にはPalominoのフレーム売りは止めないでほしいですな。
2004/09/03
クエスト日進(http://www.bike-quest.com)の店長さんが、RESET Hollowtech2 BBの組み付けについての実際の工程について教えてくれました。
(以下引用)
1 ヒートガンで暖めて、古いBBシャフトとベアリングを抜きます。2 同上 3 抜き終わった所 4 ベアリングの大きさに合わせ作ってもらったアダプターです。 5 BBの面だし(平行だし)です。 6 やはり大分狂っています、作業途中です。 7 右側終了 8 左側終了 9 BB内面の汚れを落とし、BB内壁、ベアリングにグリスを塗る10 BB内壁のバリ取り、確認のため一度ベアリングを完全に通して確認 11 OKなら内部の脱脂 12 掃除終了 13 ロックタイト648を少量塗布 14 ヘッド圧入工具にて慎重に圧入(ベアリング部分を押さない事) 15 圧入終了 16 ロックタイトが硬化する24時間そのままで置いておく。 (主宰コメント)
重要なのはBBシェルの面出しのようですな。このRESETのBBは、シェルに密着するのでBBシェルの面出しがきちんとされていないとまずいわけ。
むう、、、すばらしい。これでオールド・クラインの寿命が延びることは間違いない。すくなくともシマノはこのBB規格を5年以上は使うと思われますからね。現在のところ、Hollowtech II BBを使用することにより、XTR、XT、Saint、Honeの対応クランクを使用することが可能です。
貴重な資料とノウハウを教えて頂いたクエスト日進に感謝いたします。またよろしく!
オレも欲しいなー。早めに買っておくことにしたい。
2004/08/26
2004年度のデザインコンペティションが終了、入選作が3点発表されていました。
http://www.kleinbikes.com/us/custom/design_competition_winner.html
Amy Hepler氏が入選2点、Phil Teano氏が佳作で1点ですな。後者は温度によって色をかえるとのことですが、実際に可能なのかは書かれていません。
あえて個人的な感想を言わせてもらえば、今回の結果は低調といわざるを得ない。
こういうのはデザインとはいわないのではないか。前者はL.L.Beanのカタログの表紙のようだし、後者はカモフラージュのマグライトの広告のようです。
また、2005年度の募集も行われていますが、例によって米国とプエルトリコ在住者のみが応募対象となっています。残念ですな。
2004/08/02
ドイツのファナティックなパーツメーカー、リセット・レーシングは、さまざまなオールドクライン関連製品を生産しています。
しかし、日本の代理店がなかったので、個人輸入する他はない状態が長らく続いていました。個人輸入は敷居が高い、という方にとっては、非常に厳しい状況だった。
実際には欲しいパーツが存在しているのに(地球の反対側なのだが)、手に入らないという状態。まさに隔靴掻痒の感があったようす。
輸入代行してくれる代理店ができることが長年待ち望まれていたわけですが、この度、MCインターナショナルが、リセットのパーツの輸入代理店となったとのことです。読者の高塚さんと、愛知県日進市のバイクショップ、「QUEST日進」の店長さんから聞きました。
MCインターナショナルは、マグラの代理店にもなっている実績のある会社です。いいんでない?マグラは同じドイツの会社なので、慣れているのかもしれません。
このため、MCインターナショナルと取引のあるバイクショップを通じて、パーツの取り寄せが可能となったようです。具体的な価格はMCインターナショナルが示してくれるでしょう。取り寄せる数量・為替状況を勘案し、その都度見積もりを取って、リセットに注文する方法のようです。
オレ的には、ホローテック2用のBBとか、クラインサイズのヘッドを1-1/8インチサイズに変換するヘッドセットが気になるよ、、、いつか購入してみたいですな。
ただし、オールドクライン用ヘッド関連製品にせよ、BB関連製品にせよ、組み付けには専用工具と技術を要しますので、そうした技術をもつバイク屋さんを探す必要があります。
今回、情報をいただいた「QUEST日進」ですが、メールで伺ったところ、こうしたパーツの組み付けも行うことが可能とのとです。
ただし、直接顧客と対面で話して、メンテナンス・販売していくのが基本方針とのことですよ。
遠隔地に住んでいるなど、どうしても持ち込み出来ない方は「事前にご相談下さい」とのことです。いやー、うれしいです。
余談ですが、弊社では、以前リセットから購入した、シマノオクタリンク対応BB、「BBS」を1年以上ハードな使用環境で使いましたが、まだノートラブル。非常に信頼性が高いといえる、、、分解できない構造なので、事実上メンテナンスフリー。、、、独逸万歳!(c)吉田戦車
期待ついでに、弊社としては、リセットには、ホリゾンタルドロップアウトを装備したオールドクラインをリアディスク化する画期的なデバイスの開発を望むものです。
いかにリセットでも無理かもしれませんけどね、、、←こうした弱気な予想を覆して欲しいものだ。
2004/07/12
2004年7月上旬、KOWA JOULE 1インチモデルがデリバリーされました。
主宰も1台購入していましたが、7月5日に届きました。
やったね、、、ついに待ち望んでいたものが届いたよ。
詳細はこちらをご覧ください。
2004/05/01
興和製作所のXC/フリーライド用サスペンションフォークJoule(ジュール)1インチバージョンのモデルが2004年4月30日に正式発表されました。
http://www.kowa-ss.co.jp/newproductline.htm
アウターケースの色は、通常のバージョンの黒に対し、1インチバージョンのほうは白です。インターナショナルディスクマウントと、カンチブレーキ用のスタッドボルトが両方付いていますな。
おおう、、、なかなかいいでないの。
ガセではなかったんですね。完全受注生産とのことですので、注文し忘れることのないようにね!!!
注文は2004年5月10日までとされています。ずいぶん締め切りが早いでないの?
価格は少々お高くなって、78,540 円(税込)とのこと。限定生産なのでいたかしかたあるまい、、、
興和が身をもって示してくれた心意気、無駄にはせんぞ!!!
Pinnacle、Rascal/Fervor乗りの諸君!
いますぐなじみのバイク屋に行って予約するのだ!!!
2004/04/25
クラインが、新たなロードバイク用リアサスペンションを装備した新型ロードバイク Re've (レヴ)を2005年モデルとして発表していました。
http://www.kleinbikes.com/us/klein_club/insider_news/the_2005_reacuteve.html
4月15日から行われた第14回 Sea Otter Classicにて公表されたもので、超軽量アルミニウムとカーボンのフレームに、調整可能なショック吸収システム「SPA」を装着したバイク。
Re'veとは、フランス語で「夢」という意味で、「振動の多いロングライドも夢見ごごちに変える」んだそうです。本当かよ、、、
フレームウエイトは2.9ポンド(1317g)、トラベルは14mm。
KHSの「ソフトテール」のような構造ですな。しかし、クラインは「ネガティブトラベルを持つRe'veと同様の乗り心地を提供するバイクはない」と主張してます。
その他の特徴としては、長めのヘッドチューブとチェーンステイのために、センチュリーなどのロングライドに適しているということです。
ドライブトレーンはシマノ105とUltegra、ハンドルバーはドロップ/フラットを選択可能。発売は米国において6月中旬。価格は1400から2000ドル。
考察
クラインが年度途中に2005年バイクを発売するのは珍しいのではないか?この時期に発売するのはいわゆるJune Bike。新製品の発表を年度途中に行い、販売にてこ入れするためといわれていますね。
このバイク、Palominoの開発の頃と同時期にプロトタイプが目撃されていましたな。(うろ覚え)
構造的には、ウイッシュボーンシートステイの内部にリアサスペンションユニットを仕込んであると思われますが、どのようなものが入っているかは不明です。
2004/03/27
興和製作所のXC/フリーライド用サスペンションフォークJoule(ジュール)に、1インチバージョンのモデルが追加されることとなったようです。
行きつけのバイク屋さんから聞きました。
情報源は、興和製作所の営業の方からのメールによるものとのこと。
完全受注生産であるため、価格も通常のJouleよりは割高となる見込みとのこと。
受注開始は2004年4月1日からとのこと。
当然、デリバリーはさらにその後になるでしょう。(1〜2か月後?)
以前から、興和は、Jouleに1インチバージョンを用意することをにおわせていました。
http://www.kowa-ss.co.jp/qa.htm
http://www.kowa-ss.co.jp/qa14-4.htm
http://www.kowa-ss.co.jp/qa14-23.htm
(↑このページの「来週」というのがいつなのかは不明でしたが、、、)
これにより、ピナクル、ラスカル、ファーバーなどの1インチヘッドを持つオールドクラインに、最新のフォークを装着することが可能となるだろう。
クラインに限らず、過去のキャノンデール、リッチーなど、1インチヘッドをもつバイクを持っている人には朗報であろう。
さっそく注文したのはいうまでもない。
この項、いずれフォローします。
2004/02/26
ドイツのRESET RACINGが、ものすごい物を発表していました。
http://www.reset-racing.de/reset/index.html
2003年からシマノのクランクに順次採用されてきているHollowtech II 貫通式クランクシャフトに対応した、オールドクライン/オールドストーク用カートリッジ RESET Hollowtech II Cartridgeです。
http://www.reset-racing.de/reset/reset24.htm
この製品をフレームに組み込むことによって、Hollowtech II を採用したXT、XTRクランクを使用できるようになる。装着にフレームの改造は不要だそうです。
(ただし、装着にどのような工具が必要かは現時点では不明です。)
価格は 99ユーロ。旧BBSカートリッジに比べ、50ユーロほど安くなっています。重量は104g。
http://www.reset-racing.de/reset/preise.htm
うわー。すごいじゃないかRESET!
これでオールドクラインの寿命を延長することができるわけだ。いつか私も購入してみたいですな。
2004/01/12の本欄で、「問題は今後のシマノ規格の気まぐれな変遷にあわせていけるかということですが、、、難しいと思います。」と書いたのですが、早くも覆った。嬉しい誤算ですな。やるなー!さすが独逸の科学力。
最近、RESETではPayPalも使えるようになったので、気軽に日本から買うことができるんじゃないかな。
ちょっとヨイショしておこう。
RESET RACINGに栄光あれ!!!!
2004/02/11
親切な読者の方が教えてくれました。(情報源は某巨大掲示板とのこと)
ドイツのサイトで、過去のカタログを集めているサイトがありまして、そこにオールドクラインのコーナーも整備されています。
http://www.mtb-kataloge.de/html/klein.html
89年から97年のカタログをPDF形式でダウンロードできるみたい。
いずれにせよ、こーゆーのも著作権上、問題があるかもしれないのですぐにダウンロードしておくことをすすめます。
このように貴重な資料を得る機会は少ないですからね。
2004/01/12
オールドクラインのBBは、通称「クライン・プレシジョンBB」と呼ばれていますが、その実態は、汎用ベアリング2つの軸受けの中に、クランクシャフトを通すというものです。つまり、クライン社が製作したのはクランクシャフトだけなんです。
オールドクラインのベアリング規格は「6003」の両側接触ゴムシールタイプのもの(DDとかLLUとかいう)です。これは耐水性に優れたもので、オフロードバイクなどにも使われているとのこと。
6003ってのは単列ラジアル玉軸受タイプの型番ですな。6003は、内径17mm 外形35mm 幅10mmというベアリングを指します。ベアリングについては全世界共通の規格なんですな。んで、型番以外に、もうひとつ、シールの形式があるわけです。
片側鋼板製シールド付き 両側鋼板製シールド付き 非接触型片側ゴムシール 非接触型両側ゴムシール付き 接触型片側ゴムシール付き 接触型両側ゴムシール付き ←こいつ価格は1個700円(標準小売価格)くらいかな。実際にはもっと安く手に入ると思います。2個必要ですね。
購入は、ベアリングを扱っている会社をタウンページなどで検索するといいと思います。あるいは、インターネットで購入することもできる様子。
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/m-seki/bearing5.htm
汎用ベアリングってのは非常に安価に手に入るんですね。実売価格は2個で1000円くらいなんじゃないか。むう、、、ということは、部品代だけではシマノのBBを買うよりも安いかもしれません。
問題は今後のシマノ規格の気まぐれな変遷にあわせていけるかということですが、、、難しいと思います。
2004/01/02
- お正月特集
Kleinが 'History' として、独自の年表を発表していました。今回はその日本語訳を掲載します。
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1973
ゲイリー・クラインがアルミフレーム製作に興味を持ちはじめた。バイクフレームの試験を目的とした独自の研究計画がスタートした。
1975
2月 プロトタイプを何台か製作し、ニューヨークのインターナショナルサイクルショーで展示。それらは溶接構造で完全に熱処理が施されていた。
1976
7月 ビジネスが増加する。ゲイリー・クラインとジム・ウィリアムズが、あまり熱心でない共同事業者から買収を行った。最終的にはゲイリー・クラインだけが事業を続けることになった。
1980
カスタムフレームが製作され、2000ドル以上で販売された。
1981
以下のモデルがあった。これらはオーダー製作されたものである。
Team Super Light Road Team Super Heavy Duty Road Stage Road Stage Tour Road1983
Mountain Klein を発表。チェーンステイにU-Brakeまたはroller cam brakeが採用された。
1986
Elite Trail が1986 NORBAレースで優勝した。
1988
Mountain Kleinに代わり、Pinnacle発表。さらにアグレッシブなライダー向けとして製作された。
1989
クラインカスタムフレームモデルに Team Super Road 、Criterium, Stage、Advantageを追加。さらに次のモデルがあった。
Performance Road Quantum Road Kirsten;女性専用デザインとしてつくられたロード Pinnacle Mountain Bike Top Gun; 短めのホイールベースをもつXCバイク。クラインの最初の「リアル」レーシングXCバイクであった。Paramount Picture が商標登録していたので、Rascalという新たな名称が与えられた。1990
Rascalは、シンプルなレースバイクとして、より薄いチュービングをもち、クラインオーバーサイズヘッドセットのかわりに1インチヘッドを与えられていた。AttitudeはクラインのMTB史上で、オーバーサイズチュービング以来、もっとも大きな進歩を遂げたものだった。
1991
Adroitを発表。クロモリ製ボックスクラウンフォークに換えて、モンスターサイズのアルミ製ユニクラウンフォークStradaの使用を開始した。・・・(1)
1992
重量軽減のため、31.6mmサイズのシートチューブと、わずかに太いチューブを採用した。
1994
Quantum Pro Criteriumを発表。Gradient 9320チュービングと Aerosコンポジットフォークを採用。重量は3.9ポンドであった。
マイクロドロップアウトとMission Control 2、グレーディエントチェーンステイを発表。フォークのアップグレードが可能となった。(かつてはフレーム専用のフォークが必要だった)・・・(2)
1995
以下のモデルを販売した。
Quantum Pro Road Quantum II Road Quantum Road Aeolus Tri-athlete Road Adroit MTB Attitude MTB Pulse MTB (フロントサスペンション付き) Fervor MTB1996
Pulse Compを発表。エントリーレベルのMTB。
1997
Quantum Race Road ;Quantumシリーズの改良版であり、完成車として販売し始めた最初の年。・・・(3) Stage Road ;エントリーレベルのスポーツ車 Pulse MTB;クラインがデザイン、ウォータールー(訳注 TREKのこと)の製作 Mantra;クライン初のフルサスペンションバイク・・・(4)1998
Karma Paveを発表。リアサスペンション付きハイブリッドバイク。
1999
メインフレームにカーボンを使用したMantra Carbonを発表。Mission Control 3 ロード/MTB 用ステムを発表。
2000
ディスクブレーキ互換の新型Attitudeを発表。カスタムカラー/フィットプログラムを発表。
2001
Adept発表。 新型のXCレース用ショートトラベル・フルサスペンションバイク。
2002
ZR9000グレーディエントアルミ合金を発表。Q-Pro Road と Adept に採用された。Q-Pro Carbon Road発表 ミ 接着構造カーボン製ウィッシュボーンシートステイとZR9000合金を採用。
2003
新型Q-Carbon Compact ZR9000 ミ ハイモジュラスカーボンファイバー製ウィッシュボーンシートステイを採用。 Palominoを発表。MaverickのMono-Linkシステムを採用したXC/全地形用フルサスペンションバイク。
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【解説】
けっこう疑問点が有りますなー。よって、このままこれが正しい年表だというのは難しいです。
(1) Strataの間違い。自分の会社の製品を間違ってはいかん。 (2) この時点でも専用フォークが必要だったはず。 (3) 少なくとも93年には完成車を販売していたはず。 (4) マントラの採用は1996年。Matnra Pro としてでした。ざっと見ただけでもこんなに疑問点が。まあ、めりけんの会社はけっこうアバウトなので、こんなもんだ(笑)。このなかで、ジム・ウィリアムズという人名が出てきましたが、初耳ですな。どんな人なんでしょうかね。
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