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KLEIN定点観測


KLEIN(クライン)のバイクに関する様々な話題を紹介します。


2003/12/20

長年生産され、けっこうな台数が日本に輸入されたと思われるPinnacleですが、あまりかえりみられることがないのが残念、という読者のハラダさんからのリクエストにより特集することにしました。

■Pinnacleの歴史

クラインのMTBは、83年〜86年の間は、MountainKleinというモデルだけでした。これはアップライトなポジションの、クラシックな形状をしたMTBでした。純なトレイルライド車ですな。

その後、87年より投入されたのがPinnacleです。いわば近代的なKlein MTBの最初のモデルとして生産されたもので、PinnacleからRascal Attitude Adroitへと分化していきます。結局、Pinnacleは94年モデルまで生産されました。なお、Pinnacleには、Pinnacle Eliteと呼ばれるモデルが設定された年次があります。Eliteとそれ以外のモデルとの違いは不明です。(ご存じの方、御教示ください)

■ジオメトリー

ホイールベースは、同じフレームサイズのAttitudeに比べ、0.8〜2.1センチ長くなっており、直進安定性に寄与していると考えられます。また、ヘッドチューブアングルは若干寝ており、AttitudeやRascalに比べ、ハンドリングもゆるやかだと思われます。同じ1インチヘッドとクロモリリジッドフォークを持つRascalとの大きな違いは、ジオメトリーと、リアエンド形状と言えるでしょう。

■材質

アルコア製6061アルミ。これはほかのクラインと全く同じです。

■フレームのディティール

■まとめ

Pinnacleは1987年から1994年まで生産されました。ジオメトリーは、レースというよりトレイルライドに向いたものであり、頑丈なラックマウントが付いていたためツーリングにも対応する、とても使いやすいバイクだったといわれています。フレームのディティールも、ほかのクライン同様、特別なものです。むしろスタンダードのヘッドが使えるので、サスペンションに差し換えることも比較的容易でした。レースからツーリングまで、非常に用途が広いですな。

94年のカタログには、a classic all-purpose mountain bike と書かれていますが、さもありなん。

現在のクラインのラインナップには、こうしたツーリングとトレールライドの両方が得意なバイクは、残念ながらありません。


(*)SISアップデートとは、U ブレーキバイクに対し、クラインの指示通りにフレームに穿孔したりして、SISが働くようにケーブルルートを付け替えること。


2003/12/11

ドイツのクラインファナティックWundel氏のサイトで、

クラインの91年、92年、94年のカタログの一部の画像がUPされていました。

http://www.wundel.com/

なかなか見ることのない映像ですな。

さて、このカタログの画像情報から、アティチュード年表の一部を訂正させていただきました。

主宰のアティチュードの年式も91年から92年モデルに訂正しました。

Danke!


2003/11/08

2004年モデルの色彩について。


Fission フィッション 分裂、特に核分裂 黄色/オレンジのリニアフェード

SIlver Storm シルバーストーム 銀色の嵐 銀色基調のリニアフェード?

Blue Linear ブルーリニア 紺/空色のリニアフェード

Silver Cloud シルバークラウド 銀の雲 白/銀のリニアフェード

Bodega Black ボーデガブラック ワインっぽい黒のリニアフェード?

Hawaiian Lei ハワイアンレイ カスタムカラー ハワイの花の首飾り

Winter Frost ウインターフロスト カスタムカラー 冬の霜 青色基調の手書き模様

Bubbles バブルス カスタムカラー 泡 ゲロルシュタイナー(ジェロルスタイナー)のチームカラー

Spiked Punch スパイクトパンチ カスタムカラー 刺のあるパンチ 赤/黒/黄の塗り分け

24 Hours Silver Cloud カスタムカラー Silver Cloudの24時間発光バージョン 

Jaguar ジャガー カスタムカラー 豹 ヒョウ柄

Night Storm ナイトストーム カスタムカラー 夜の嵐 説明不要

Wave & Sky ウェイブアンドスカイ カスタムカラー 波と空

Bones ボーンズ カスタムカラー 24時間発光の骨模様。


こうしてみると、カスタムカラーは2003年からの持ち越しがおおい。Spiked PunchとWave & Sky、Bonesが新色ですが主宰的にはいまいちの色ですな。それよりも、標準色のほうがずっといいような気がします。


2003/10/25

Rodale PressのMountain Bike誌のウェブサイトで、2003年のベスト製品群が紹介されていました。

このなかに、Klein Death Grip タイヤが Best Old Tire That's New Again として紹介されていました。

カムバック賞とでも訳すか?

http://mountainbike.com/equipment/equip_1103_bestof2003.shtml

この中で、Death Grip2.35は、よく回転し、サイズの割に軽く、強力なトラクションとコーナリング性能をもつと紹介されています。Hutchinson Python のようにハードパックや柔らかく砂まじりのコンディションで有利だとも。


2003/10/09

クラインのウェブサイトで2004年のPDFカタログが配付されていました。(英語版)

http://www.kleinbikes.com/us/support/catalog_request.shtml

カスタムカラースキームについてはこの時点でウェブサイトに反映されていないので、このカタログで見るのが手っ取り早いですな。

なかなか美しい写真を使っています。ちょっとPalominoがいいなーと思いましたよ。

色彩についてはいずれこのページで解説予定です。


2003/09/22

クラインのウェブサイトで2004年のデザインコンペティションの実施が発表されていました。

http://www.kleinbikes.com/us/custom/design_competition.html

2003年まではカスタムペイントコンテストと呼ばれていたものです。優勝者には2005年モデルのカスタムカラーとして採用されるという栄誉が与えられる。

しかし、残念なことに、参加資格は米国とプエルトリコ在住者のみです。

http://www.kleinbikes.com/us/custom/design_competition_rules.html

諸外国人にも参加資格を認めてほしいものです、、、


2003/09/15

クラインのウェブサイトで2004年モデルが公開されていました。

http://www.kleinbikes.com/us/home.html

モデルは次の通り。

●マウンテンバイク
Attitude ハードテール
Palomino フルサスペンション
●ロードバイク
Aura  スロ−ピングトップチュ−ブ
Q-Pro  ホリゾンタルトップチュ−ブ


2003年との違いは次の通り。

@2003年モデルで発表されたQ-carbonが、名称を変更してAuraとなりました。これはいわゆるオーラの意味ですな。また、Q-pro

carbonがQ-proとなりました。

A2003年までの pro,race,comp,無印 の4階層性を廃止、XX,XV,X,Vの4階層性を採用しました。XXの方が高位です。

BPalominoの仮想トップチューブ長については、2003年が58.3cmであるの対し、2004年では56.8cmとなり、シートチューブ角は75.0度から75.8度となっています(いずれもサイズSの場合)。シート位置が後ろにあり過ぎる!という批判に応えた改良と思われます。

このほか、Palomino、Attitudeのある機種ではブレーキについてはディスク、カンチの2種が選べるようです。

また、フレーム売りも全てのモデルで継続しています。

9月18日JST現在、まだカスタムペイント色については発表されていません。発表され次第報告したいです。


(考察)

2003年はPalominoとQ-carbonの開発に相当な経営資源を使ったため、2004年はすべてのモデルが小改良にとどまったといえる。

Palomino(白馬)に、その名のとおり白いバイクが追加されたのは嬉しいところ。また、きちんとジオメトリーを改良してきてますな。

ただ、期待していたハイブリッドバイクは今年も発表されませんでした。


2003/08/05

昨年暮れに募集した2003カスタムペイントコンテストの入賞者が発表されていました。

http://www.kleinbikes.com/custom/paint_contest.asp

ニューヨーク州のKevin Maguire氏がX-rayというカラースキームで優勝し、2004年のカスタムカラーパレットに選ばれました。

選考基準は @色の調子 A グラフィックの動き B 生産のしやすさ だそうです。

個人的にはMichael Locher氏の浮世絵風デザインが好きですよ、、、

で、次回 2004年のコンテストですが、今年は8月には詳細が明らかになる、とされています。いつもは年末に募集されるんですが、今年は早いですね。募集期間を延ばすつもりかもしれません。

2003年の募集期間は2か月くらいでしたからね。短すぎ。

2003年はアメリカ在住者しか対象となっていませんでしたが、今年度はどうなるんですかね。

リソースの有効活用という観点から、いろんな国から集めるべきでしょうな。そのほうがいいんじゃないか。>Klein

もし、他国人にも開放されたら、ぜひ応募してみたいですなー。


2003/06/30

2ちゃんねるで親切な方が書き込んでいました。Palominoの2004年モデルについてのニュースがSingleTrack Worldのウェブサイトに載っているようです。

http://www.singletrackworld.com/article.php?sid=1046

これによれば、2004年モデルの変更点は次の通り。


1 シートアングルをより垂直に近づけた

2 リアショックをマグネシウムボディ・コイル&エアからアルミニウムボディ・コイルに変更、ショックの容量を上げた

3 2ピースだったチェーンステイをワンピースに変更

4 新型XTRのFディレーラーがシートチューブに当たる問題を解消

5 新型XTRのクランクがチェーンステイに当たる問題を解消

6 モデル増加:LXからフルXTRまで。FRディスクまたはカンチレバーのブレーキモデルも用意する


1については昨年度から言われていた要改善点。

2はポール・ターナーと検証を行い、改善したとのこと。

3ですが、これは構造を単純化することにより、故障の減少とマッドクリアランスの増加を見込めるとのこと。

4、5はハイエンドのレースバイクとして必要な改善点。

SingleTrack Worldには、新型XTRを装着したPalominoの写真が載っていますな。これはどういうソースから出た物なんでしょうか、、、面白いです、、、

(ちなみに、SingleTrack Worldは英国の雑誌です。米国のソースより、ニュースが新しいところが興味深い。)


2003/05/30

アティチュードは、クラインMTBの代名詞として知られたバイクですな。

しかし、最近、この商標権に大きな変動がありました。

それは、商標権の所有者が、ゲイリー・クライン自身から、トレックに移行したことです。


アティチュードの商標権は、2002年9月に、完全にTrek Bicycle Corporation CORPORATION に移行したとのこと。

いよいよトレックによる支配が盤石となった感がありますな。

パロミーノについても同様に、商標権をトレックが所有しています。

これに対し、アドロイト、アデプトの商標権は未だKlein Bicycle Corporationが所有していますな。

<考察>

このことから、2002年後半以降、トレック傘下のクラインが販売するバイクは、その商標権がトレックにあるものに限られることが分かります。

2002年後半というのは、ワシントン州のクラインの工場が廃止され、ウォータールーのトレック工場に統合された時期と重なります。

もしかして、このことは、Klein Bicycle Corporationという独立会社が事実上存在しなくなり、完全にトレックの一デビジョンとなったということを示しているのかもしれません。

そして、アドロイト・アデプトも、それらの商標権がまだKlein Bicycle Corporationにある以上、その復活は近日中にはありえない、という事実を示しています。

オールドファンにとっては、いろいろな面でとっても悲しいことかもしれませんなー。

ゲイリー・クラインには、もう一回奮起していただき、ワシントンに別会社を起こしてほしいなーとも思います。そして、また独特のバイクを作ってほしいなーと思うんですけどね。

そう、、、マーヴェリックのオーナー、ポール・ターナーのように。


2003/05/05

前回のヘッドマークについて、写真イメージを追加します。

   1996年以前    1996年以前MXインターナショナル輸入版

   1997年以後


2003/04/19

クラインのヘッドマークについては、次のような変遷があることを記録しておきます。

〜1996 :ヘッドマークなし

1997〜 :ヘッドマークあり(塗装による表現)

ただし、例外があります。

しかし、バイク界を見渡しても、ヘッドマークのないバイクは珍しいですよ。バイクの総合カタログを一通り見てみたんだが、ほとんどのメーカーが独自のヘッドマークを採用している。いわばこれはバイク世界のお約束なわけだ。

なぜ、クラインにはヘッドマークがなかったんでしょうか。次の理由が考えられます。

では、MXの日本仕様にはなぜヘッドマークが付けられたか。

主宰は、並行輸入対策だという話を聞いたことがありますが、さもありなん。

96年以前は、ハワイなどに行ってクラインを買ってきた武勇伝を耳にしたものです。米国に行って買った方が、MXの設定した価格よりもずっと安く買えたからです。

余談ですが、95年の雑誌Bicyclingに載った広告には、新車のファーバーが550ドルで売られていました。

MXの作ったロゴは、後のクラインの純正ヘッドマークとは微妙に異なっていますが、イイ線いってますね。

97年以降のヘッドマークのデザインは、お馴染みKマークなわけですが、これは1982年に米国特許商標庁に出願されたものです。

ttp://tess2.uspto.gov/bin/showfield?f=doc&state=9pfbbv.2.1


2003/04/10

2003/01/19 まぼろし で紹介した表のなかにあるBeta-C 、Metaという商標名なんですが、これは1993年モデルイヤーだけ実際に生産されたリムの名称であることが分かりました。

Beta-C は700c、Metaは26インチ。材質はクラインオリジナルのグレーディエント9320。

高いリムハイトと、大きなブレーキングポイントが特徴です。Metaは400gと、当時のリムにしては最軽量の部類にはいりますな。

Metaは、「超越した」という意味を含む接頭辞。

Beta-C とは、ベータカロチン BETA CAROTENE のことかと思われます。

Metaはいいとして、Beta-Cのネーミングセンスはどこから来たものなのか?

面白いネーミングですな。


2003/03/01

96年モデル以前のクラインバイクのサイズの見分け方について、記録しておきます。ソースは「96年以前のバイク用クライン・テックマニュアル」。

18インチと19インチ以上の違いを簡単に見分けるには、バイクに「スティンガー」、「ガンビー」のどちらが付いているかを調べるだけで可能です。

「スティンガー」っていうのは、トップチューブからのびるアルミ製の管です。トップチューブから出るケーブルルートを、カンチブレーキ直上に誘導する機能を持っています。

「ガンビー」っていうのは、シートステイのブリッジの上にある、もう一つのブリッジ。これも同様に、トップチューブから出るケーブルルートを、カンチブレーキ直上に誘導します。

「スティンガー」が付いているフレームが18インチ、「ガンビー」がついているのが19インチ以上のバイク、とされています。

いずれもVブレーキが一般化した時点で廃止されていきました。カンチブレーキのための部品ということですね。

テックマニュアルの図はちょっとわかりにくかったんで、描き直してみました。

そのほかのサイズについては、ヘッドチューブの長さで調べることができます。

ラスカル・ファーバー・ピナクル

パルス・アティチュード・アドロイト  (94〜96)

19インチ

86mm

92mm

20インチ

115mm

119mm

21インチ

 −

148mm

22インチ

172mm

178mm


2003/02/01

さて、前回 2003/01/19 まぼろし で紹介した表のなかにある、これらの言葉はなんでしょうな。

これらは、1995年カタログのパルスに装着されているサスペンションフォーク「Spartan Ocelot」のことと思われます。

このサスペンション、クライン製だったんですか。あるいは、他メーカーのサスにSpartan Ocelotというステッカーを貼ったもの?

たぶん、後者が有力ではないか。そして、この形状、なんかタンゲのストラットにも似ている、、、

証拠を求めていろいろウェブ上を調べましたが、なにも見つかりませんでした。


2003/01/19

米国特許庁の、トレードマーク・データベースで、サーチワードに「klein chehalis 」と入力してみたところ(検索条件にownername / address 、andを指定)、こんな結果を得ることができました。 → コレ

96年ころまでの、いろんなクラインのモデル名や、アクセサリー名をみることができます。

しかし、中にはまったく見知らぬものもあります。

これらがどういうモデルになったかは、今となってはまったく不明です。

【主宰の想像】

この世界が、別の歴史を歩んだとしたら、、、どうだったんだろうか。

1993年、ゲイリー・クラインが、画期的シートポスト固定システム・ジップグリップを発想しなかったと仮定してみよう。

もしそうなら、1994年に、ジップグリップ全モデルが、固定力不足を理由にリコールされることもなく、クラインの経営も圧迫することもなかっただったろう。その結果、1996年にトレックに買収されなかったかも。

、、、もしかしたら1997年には、新型サスペンションシステムtrilynxを装備したバイク「Klein Medusa」、画期的タイヤAliveを装備したシクロクロスバイク「Klein Aurola」が発売されていたかもしれません。

ま、想像なんで読み流して下さい。


以前の記事はこちらに移動しました。

 → 2002年のKLEIN定点観測

   2000年・2001年のKLEIN定点観測


こんなニュースがあるよ! というメールはこっちへ!  喧噪社 
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