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KLEIN定点観測


KLEIN(クライン)のバイクに関する様々な話題を紹介します。


2001/11/25

今回は、定点観測らしいことをしてみました。ヤフオクにおいて、どの程度オールドクラインが出品されたかを、ほぼ半年ほど観察したんです。この場合、オールドクラインとはおおむね95年型以前のものですわな。

主宰の記憶に頼っていますので、ある程度時期的なずれとか、年式の識別ミスがあるかもしれません。



だいたい1月に1台は出ていますね。今後、リストアを試みたい方は、1月待てばなにかしら手に入るということですね。値段とかは別にして、、、やたら高い最低価格があったりして、、、買えるか!って値段もありました。

では、オークションでオールドクラインを購入する場合、出品者に確認しておきたいことを書いてみましょうか。


2001/11/25

k-link情報です。

クラインUSAは、2001年12月31日までに米国で販売した、USA国旗仕様のカスタムペイントバイクで得た利益の10%を、ツインタワー基金(WTCテロ事件犠牲者救済のために、NYのジュリアーニ市長が設立した)に寄付することとなりました。

他にも寄付のオーガナイズをしているようです。

http://www.ci.nyc.ny.us/html/em/twintowersfund.html


2001/11/01

マウンテンクラインMountainKleinとは、1986年ころから製作されたklein初のマウンテンバイク。名前がそのまんまですね。安直なネーミング、、、でもないか。Mountain Climb(山登り)と1音違いですので、洒落ですねー!!!

で、特徴なんですが、

こうしてみると、MountainKleinは登場当時からクライン固有の特徴を持っていることがわかります。

MountainKleinは1988年まで生産され、Pinnacle 、TopGunと呼ばれるモデルへと発展しました。

http://www.firstflightbikes.com/MountainKlein.htm


2001/10/04

米国サイトにおいて、カスタムペイントコンテストが実施されています。

http://www.kleinbikes.com/custom/paint_contest.asp

応募者はpdfファイルをプリントアウトして紙ベースでデザインするか、JPEGファイルでデザインするかを選べます。コンテスト規則によれば海外からの応募に制限はないようです。入賞者1名には応募したデザインでペイントされたQ-Pro CarbonかAdept Proがプレゼントされ、2003年のカスタムカラーパレットに追加される栄誉を得る模様。

締め切りは 2001年12月31日 11:59 P.M. (CST):米国中部標準時間。郵送かeメール(200kb以下)で応募。

主宰も応募してみようと思います。


2001/09/30

2001/09/24 号でお伝えしたK-linkプログラムですが、日本からも加入可能です。単にメールアドレスを登録するだけです。(2001/09/24現在はまだ日本版サイトではこのサービスは始まっていません。)

早速登録したところ、

Welcome to the virtual K-link team. As a K-link member, you are entitledto special offers that are unavailable to the public. Within a few weeks,you will begin to receive periodic email updates about the latest developments at Klein.

と、返事が。つまり、数週間のうちにクラインに関する、一般向けには宣伝されないニュースが送られはじめる、、、ということです。どーゆーニュースが提供されるのでしょうか。期待半分で待ってみます。

このほかにバイクを購入したら登録するBIKE REGISTRATIONプログラムもありますが、これは米国サイトでは米国内のみのようです。日本サイトで同様のサービスをするかもしれませんが、いずれにせよ2002年モデルを新車で購入したオーナーのみに限られるようです。


2001/09/24

クライン2002年モデルが、クラインのウェブサイトで発表されました。大きな変更点がありました、、、ある意味、悲しい知らせも含まれています。http://www.kleinbikes.com/home.asp

★アドロイト廃止  長年、クラインMTBラインの頂点にあったアドロイトが廃止されました。

Fuselage呼称廃止  長年クラインのフレームセットの呼称として使われていたFuselageという呼び名が廃止され、Framesetという呼び名になりました。

アティチュード完成車のケーブルルート変更  アティチュード完成車の内蔵ケーブルルートが変更されました。具体的にはダウンチューブの内蔵が廃止されました。トップチューブの内蔵は存続しましたが、より簡易な方法になりました。

★カスタムカラーに国旗風デザインの導入   主要国の国旗をモチーフにしたカスタムカラーが導入されました。ドイツ、日本、オーストラリアなど。

★Q-pro carbon導入   QとはQUANTUMのこと。カーボンバックを導入しました。形状を見る限り、コロンブス社のバックではなく、自社生産のようです。MTB、ロードとも最後に残ったエアヘッドモデルとなってしまいました。

★MC-4導入  Q-pro carbonのステアシステムとしてMC-4が導入されましたが、パーツリストには「エアヘッドセット ケーンクリーク・インテグレイテッド」と書かれています。このことから、独自規格のヘッドセットをついに放棄したと推察されます。

★QUANTUM TT 導入   これはQUANTUMにフラットハンドルを装着したモデル。クラインによればクラブライド、スポーツツーリングに適しているとのことです。

★ ZR 9000 alloyの導入   新アルミ素材としてクラインが開発しました。日本のバイク誌情報によればジルコニウムなどが配合されているそうですが、クラインのウェブサイトではまだ解説されていません。

★ K-linkプログラムの導入   K-linkというユーザーグループを組織することにしました。古いモデルのユーザーあるいは日本のユーザーにも開放されるかは不明。試してみます。この項、フォローします。


★考察

なぜアドロイトを廃止しなければならないのか。おそらく、その理由はコスト削減だろう。MTBラインに、ハードテールバイクは2種類は不要、、、ということなんだろうか。アドロイトがMTB世界においてモニュメンタルなバイクだと言うことを考えれば、その廃止はあまりにもビジネス優先の選択だ。

クアンタム・プロにおいて独自規格のヘッドセットを放棄し、ケーンクリークのヘッドを導入したことも同様にショッキングだ。

わたしが2001/01/10号で「それに比べMC-3は、単にちょっと変わったヘッドセットがついているバイクにすぎないのかも」といったが、MC-4に至ってはまったく他社のバイクと異なるところがないバイクになってしまった。

MC-2を放棄した時点で、今回の独自規格放棄の路線は決定的になったのだろう。さらにいえば、その流れは97年の独自BB放棄の時点で作られたのだった。

クラインはもう、かつてのクラインの財産:知恵の集積つまり独自規格路線から完全にはずれたとみていい。

非常に残念な決定だと言わざるを得ない。

個人的にはアドロイト、クアンタム・プロのような唯一無二のバイクは、フルオーダーのような形で生産して欲しいのだった。ジオメトリー、色彩、パーツ、それらすべてを含めてスペシャルな存在であるべきだろう、、、だが、そうしたゆとりのある考え方が失われているのだとしたら、もうアドロイトの復活もない。

Fuselage呼称を廃止したのは、もう独自規格のヘッドを搭載しなくなったからである。ということは、将来、独自規格が復活したらFuselage呼称も復活するのかも。そうしたわずかな希望をもって今後の展開を見守っていきたいと思う。


2001/09/10

クラインのカタログによく登場する単語、Fuselage。

ADROIT、QUANTUM PROのフレームとフォークを表現するのに使ってますな。他のモデルとはヘッドの構造が異なることから、最高機種を他のモデルと区別するイミで使用しているようです。他のメーカーではストレートに「フレーム&フォーク」って言ってますが、、、

では、この単語、どんなイミなのでしょうか。

発音はフューズラージ。イミは、【航空機の胴体、機体】。航空機用語では胴体はボディではないんですな。

GOOGLEで検索してみました。

http://www.planemath.com/activities/pmenterprises/fuselage/fuselage1.html ここではSylさんが航空機の胴体のいろいろを教えてくれます。

これを読んでわかったのは、現代の旅客機の胴体は、見た目、バイクチューブに似ているってことです。それでFuselageっていうんだー。

あと、クラインとしては航空用語を使うことで、ほかとは違う高度な技術でやってるよ!という印象を与えたいんでしょう。

http://www.planemath.com/activities/pmenterprises/fuselage/fuselage11.html


2001/08/01

米国コロラド州クレステッド・バットに、マウンテンバイクの殿堂博物館があるのを知ってました? 主宰は最近知りました。ここは、会員の寄付で活動する非営利の博物館なんです。1988年以来、MTBの普及などに功績のあった人20名以上が殿堂入りしてるんですって!へえー。

中にはサンツアーの会長のKawai Junzo氏なども殿堂入りしてますね。

では、ゲーリー・クライン氏はどうか!というと、1992年に殿堂入りしてます。

えっ、、、ずいぶん早いですね、というのが正直な感想。

クラインがMTBを作り始めたのが1986年頃。んで、6年で殿堂入りかい!(ツッコミ) 

他にはトム・リッチーやスティーブ・ポッツ、ジョー・ブリーズなど、MTBの草創期におけるそうそうたるメンバーですね(笑)。アスリートとしてはジュリー・フルタド、スーザン・デモティなど懐かしいのう。東海岸のクラインと言われる(とゆーか主宰が勝手に言っている)クリス・チャンスさんも殿堂入りかい!へえ、、、

http://www.mtnbikehalloffame.com/inductees.cfm?page=99&mID=41

ところで、このMTB殿堂博物館のメンバーには、日本からも入会可能だそうです。会費25ドル+送料6ドル+エクストラの寄付 と引き替えにTシャツか帽子が選べるんだってさ。


2001/07/15

RESET Racing Components 

ドイツに、こんな会社があるらしい。クライン用のパーツなんて、あんた、めずらしいなあ、、、貴重っすぅ!

では、彼らの作っているものを紹介しよう。

・MC用ヘッドセット

・MC2、MC3用サスペンションフォーク用ヘッドセット

・クライン&ストーク圧入シェル用BB、「BBS Cartridge」

・他に、ハブ、サス用スプリングなど(これはクライン専用ではありませんが)


ここでは、特にクライン&ストーク圧入シェル用BB、「BBS Cartridge」について詳しく紹介しよう。

BBS Cartridgeラインナップ   http://www.reset-racing.de/reset/reset3.htm

以下の3種類がある。

@Dura-Ace and Ultegra セレーション対応  BBアクスル長 109.5 mm

AUltegra 3x9 セレーション対応       BBアクスル長 118 mm

B XTR セレーション対応           BBアクスル長 112.5 mm

CNEW XT/LX セレーション対応        BBアクスル長 113 mm

(2001/6/1現在)

いずれも、圧入BBをもつクライン&ストークのフレームにのみ使用できる。

主宰は、ものは試しと注文してみました。詳しくは、ここを。


2001/06/15

今回は、世界に受けいられるためには独自性を放棄しなければならなかった、ということについて。

かつて、クラインMTBは、「閉じた構造」をしていました。

つまりどーゆーことかというと、

フォーク、ヘッド、ステム、ハンドル、BBが特殊工具や溶接構造で組み込まれていたため、ユーザーがいじったり、他の部品と交換したりということが出来なかったということです。

わずかにドライブトレーン(コンポーネント)と、グリップ、ホイール、ブレーキの選択が可能だっただけ。

つまり、基幹部分はブラックボックス化されていたのです。それはとても単純で、美しいシステムだった。

これって、初期のマッキントッシュと似てますわよね。とくに一体型のプラス、クラシックとかに。キーボード以外はユーザーがいじれる部分がなく、改造が困難。特殊工具が必要で、筺体をあけることすらムズカシイ。また、独自のOSを搭載し、他のOSは受け付けないし、アプリケーション・ソフトもあらかじめ付属していた。これは、パーソナルコンピューティングに詳しくないthe rest of us〔エキスパートでない人)が、最小限の知識と技術で最大の効果を得るための、「閉じた構造」だったのです。それはとても単純なシステムだった。これは、スティーブ・ジョブズ&ウォズニアックの発想ですね。

これに対し、クラインの場合も、同じ「閉じた構造」を実現していたが、その理由とはマックとは違い、技術に絶対の自信があったがためのものだったのではないか。ようするに、「これが一番軽量で、美しいのだから黙って乗ればよい」という匂いがするのだ。

主宰は、こうした独善的(笑)な姿勢が好きなのだった。

しかし、MTBの機材の進歩は、そうした独自性=独善性を許さなかったようだ。

90年代後半の機材の進歩、規格の更新は目を見張るものがあったのだ。ライダーが好きなシステムを自由に選べる時代が本当にやってきたのだった。

筆頭はサスペンション。いかに優秀なSTRATAフォークといえども、高速化するMTBレースではライダーはサスペンションを必要としたのだ。が、エアヘッドはサスペンションとの親和性が低かった。取り付けられないことはなかったが、そのために専用のコラムの付いたサスを調達する必要があった。ライダーのポジションを左右するステムについても、エアヘッドに取り付けられる特殊なステムが必要だった。また、BBは交換が困難であり、シマノの新型BBシステムに対応できないのであった。

つまり、「閉じた構造」では、世界を相手に戦うことが難しくなったのだ。

(、、、主宰は世界と戦わないので、どーでもいいのだった)

こうした状況に対応するため、クラインはMC2に代わり汎用性のあるMC3を採用し(2000〜 アドロイト&クアンタム・プロ)、あるいは汎用のオーバーサイズのヘッド、ステムを採用(そのほかのモデル)した。BBも汎用品を付けられるようにした。ライダーは美しいMC2の代わりに、自分の好きなサスペンションフォークを選べるようになったのだ。

(同様に、マッキントッシュもコストダウンなどのために、独自形状のメモリー、独自ADBインターフェースなどを放棄したのであった)

1990年代後半から、マッキントッシュもクラインも、汎用パーツを受け付けるようになり、そのためにマッキントッシュもクラインも、単純で美しいシステムを放棄していくこととなったのだった。

、、、、、この文章は「だった」で終わる文が多いのだった。


2001/05/25

1995年から、クラインのMTBラインに新型のリア・エンドが導入された。それは、マイクロドロップアウト

クラインMTBバイクスはもともと後方にタイヤを抜くリアエンド=ホリゾンタルドロップアウトを持っていました。これは肉厚のアルミ無垢をCNCで削って作ったもので、非常に丈夫なのです。厚さ1cmだし。だが、重いのが欠点でした。そこで、最高機種アドロイトでは肉抜きをして軽量化を図ってきたのです。

しかし、肉抜きには限界があったと思われ、1995年頃から新型のエンド=マイクロドロップアウトが順次投入されました。これは、鋳造で作られた非常に小さなエンドで、従来タイプと同様に後方にタイヤを抜く方式です。非常に軽量で、かつ破損しにくいので、ゲーリー・クラインの自慢のタネの一つです。

クラインによれば、後方にタイヤを引く方式においては、トルクをかけるとハブ軸がエンド前端に密着するよう動作するので、バイクを前に進める作用があるとのことです。、、、ホントか?

ともかく、ホリゾンタルドロップアウトが丈夫であることは間違いなく、また、マイクロドロップアウトが軽量なことも確かなようだ。ちなみに、主宰のファーバーはホリゾンタルドロップアウト(肉抜きなし)であり、クアンタムはマイクロドロップアウトです。どちらも使い勝手は同じです。

マイクロドロップアウトは、2001年5月現在、アデプトを除くすべてのクラインバイクスに使用されています、、、、

早くアデプトもそうしろよな。


2001/05/20

 今回は、オールドクラインのBB圧入問題について。

これはなにかとゆーと、1996年くらいまで、クラインMTBフレームにはBB(ボトムブラケット)と呼ばれる部品が付属していたことに付随する問題です。

BBって、クランクの基部になる最も重要な部品の一つなんだが、、、要するに、クランクの軸になる部品のことね。まあ、ドライブトレーンの要石のような位置にあるのだ。

普通のバイクの場合、シマノなど部品会社のBBを買ってきて、フレームのBBシェルという部分にねじ込むんです。BBシェルにはそのためのネジが切ってある。

ところが、、、オールドクラインの場合は、最初からBBシェルにクライン純正のBBが圧入、つまり、専用工具で押し込んであるのだ!

クライン製専用工具でしかこの圧入BBをはずせないようです。1994年のカタログにはこの専用工具の値段が載っている。15,000円とのこと。とゆーことは、この工具を持っているバイク屋さんを探さなければならないのか。

もし、このクライン純正圧入BBが壊れたらどうするのだろうか??? 交換部品などという物は供給されていないことは明らか! たしかに、この純正BB、耐久性はあるようですが、、ポルトガル製みたいね。(どこのメーカーかは、不明だっ!)

あと、最近のクランクは、ISISドライブやシマノ8セレーション嵌合などと呼ばれる特殊BBを使用するようになっていて、、、要するに、合うクランクを探すのも困難になってきているのだっ!

主宰のファーバーも、2001年の3月に、XTグレード以上の9スピードクランクを付けようしたのですが、テーパータイプのクライン純正BBにあうXT・XTRがなかった! よって、新古品(ちょっと使用してあった、、、)の5アーム・メガ9XTクランク(1999年モデル)をバイク屋さんに探してもらって、取り付けてあります。苦肉の策ね。部品がなかったらシマノ以外のクランクを選択せざるを得なかっただろう。

こうしたことから、今後はオールドクラインを手放すユーザーも増加してしまうかもしれない。(泣)

なんか、こんな話ばっかだな。これがクラインライダーの宿命だ! クラインライダーの悲哀ともいうぞ。

この話題、あとあとフォローします。


2001/05/01

  

クラインMTBバイク ファーバー (Fervor) は1994年から1995年にかけて日本に輸入されたんだが、このバイク、ヘッドパーツが1インチという特殊サイズでした。

ご案内のとおり、MTBのヘッドサイズはふつう 1&1/8(オーバーサイズといいます)ですよ! まあ、例外として1&1/4(エボリューションサイズといったんだな、昔は)のバイクもあったんですが、こちらはすでに絶滅状態といってもいいかもしれない。

1インチヘッドを持つMTBとしては、1999年モデルまでのリッチーがありましたけど、、、、ごくごく少数派。

最近、MTB用の1インチサイズの部品が生産中止になることが多い、、、

ヘッドパーツ自体はロード用の部品を入手できるので、まあいいとして、

一番困るのがサスペンション。2000年モデル以降、1インチ用のXCサスペンションは存在しないみたいなんだ。

あと、1インチMTBステムも危ないよな、、、リッチーが2001年モデルで生産しているようですが。いま付けているKOREのが壊れたらどーするんだ、、、まーたしかに、1&1/8ステムにスペーサーを入れて対応できるけどさ、、、なんだかなあ。

こうした事情から、今後1インチ用パーツの供給が止まると、ファーバーを手放さざるを得ないオーナーがたくさん出るはず。

1インチ用のサスペンションについては、デッドストックを探す旅に出る必要があるかもしれない。

なんでもでかくすりゃいいってもんでもないぞ!(號泣)

日本全国の自転車屋さんの裏庭で放棄されたファーバーがたくさん見られるのかっ!(おおげさ)


2001/04/20

 

クラインMTBバイクは、その内蔵ケーブル・ルーティングの問題から、1995年式以前モデルではシマノVブレーキに正式対応していません。

 シマノ XT Vブレーキが発売されたのが1995年。発売当時は、その制動力の大きさが、すげー話題になりました。ちょうど、いまのディスクブームのように、みんなVブレーキをつけだしたのでした。Vブレーキ自体は、長いアームの付いたカンチブレーキなんだが、リムに平行にシューが移動する構造になっているのだった。

Vブレーキの利点: 

@ カンチブレーキ時代は、リアブレーキのアウターワイヤー受けパーツがフレームに溶接されていないといけなかったが、必要なくなった

A テコの原理とブレーキシューの拡大により、制動力が2割増くらいになった

B カンチブレーキより調整が簡単になった

クラインは1996年式以後は、Vブレーキに正式対応しましたが、それ以前のクラインライダーはVブレーキにどう反応したかとゆーと、

1 カンチブレーキを使い続けた

2 アウターワイヤーの内蔵をやめ、フルアウターにしてフレームの外に出してタイラップなどでフレームにくくりつけた

3 フルアウターにして内蔵ケーブルルートの孔を広げ、無理矢理アウターワイヤーをフレーム内に突っ込んだ

 主宰は3を選択しました。この手法は、外見上美しく、フルアウターのため泥に強いのです。

 ただ、孔の大きさを1ミリ程度ヤスリで拡大せざるを得ず、フレームの構造を変えるため、強度的に不安だと思う人がいるでしょう。クラインもこうした改造は推奨しないはず。よって、すべて自己責任でやりました。改造から5年、いまのところノートラブルですが、、、

 そのため、2という解決方法もあった。フルアウター外出しは、フレームにタイラップがごそごそし、塗装を傷つけたりアウターがゆるんだりという欠点はあるものの、フレームに手を加えずにすむので多くのユーザーが選択したようです。

 1という枯れた手法を取る場合、それはすでにビンテージといえるかもしれませんな。それはそれでかっこいいといえる。


2001/03/31

 

今回は、クラインの各モデルにつけられたペットネームについて解説します。

 クラインは創立25年くらいたつのかな。その間、いろんなモデルが発売されました。

 主宰が知ってる限りのモデル名の由来を調べてみました。発音に関しては、代理店の意向を無視して、主宰流に発音しているので許されたい。

 主宰の一口ツッコミ付き。○印は2001年現在、生産されているモデルです。

MTB・ハイブリッド

○Adroit アドロイト 器用な(形容詞)。 ・・・古めかしい単語。が、このバイクの持つ重厚・特別な雰囲気に合ってる。

○Attitude アティテュード 雰囲気、態度。・・・ふつうMTBには Latitude(緯度)とかAltitude(高度)とか付けそうなもんだが、そうしなかったとこがよい。

・Rascal ラスカル いたずら者、悪童。・・・意外、ふつうのネーミングですね。古参モデル。その後ファーバーに発展しました。

・Pulse パルス 波動。・・・Quantumに呼応してるんでしょうか。Pulse2のほうがPulseCompより格上なのよね。

・Fervor ファーバー 熱意、熱。・・・いい名前だ。主宰の愛車。この名前、復活を望む ! でも、「フィーバー」とよく間違えられる(笑)。

○Adept アデプト 熟練者、達人。・・・これもAdroitのように古い単語だ。好きですね。

○Mantra マントラ 仏教用語の「真言」、一般的には経文。・・・バイクに宗教関係の名前っすかあ。

・Karma カーマ 仏教用語の「業」。・・・これもすごいね。業の深いバイクだったのかなあ。短命なバイクでした。

・Pinnacle ピナクル 頂点、山頂、高い峰。・・・ふつうのネーミングですね。登山用品店みたい。

ロード・ツーリング

○Quantum クァンタム 量子(物理学での)。・・・MIT出身を鼻にかけてやがって。

・Aeolus エーアラス ギリシャ神話の風の神、アイオロス・・・トライアスロンでのドラフティング禁止時代のバイク。風を味方にしろ!

・Performance パーフォーマンス 能力。・・・ふつうのネーミングだね。拍子抜け、、、

・Panache パナッシュ 気迫、貫禄、華々しさ。・・・これもAdroitのように古い単語だ。この名前、復活して欲しいな。

・Stage ステージ 段階、階梯。・・・これも宗教用語なんかなあ。あるいはツールとかのステージとか。短命なバイクでした。

・Navigator ナビゲーター 先導者。・・・ふつうのネーミングですね? なんか、がくがくっと脱力。

アクセサリー

・Instinct  インスティンクト 本能・・・グリップの名前でした。本能で握れ!ってか。KLEINって論理的メーカーじゃなかったか。

・Stratum  ストラートゥム 地層、階層構造 Strataの単数形・・・ハンドルバーの名前。カーボンの積層構造が語源か。

・Strata   ストラータ 地層、階層構造 Stratumの複数形・・・Adroitリジッドフォークの名前。これもカーボンの積層構造が語源?

・Cloud Nine クラウド ナイン すばらしい幸福のこと・・・タイヤチューブにこんな名前つけますか〜? 幸福を踏み台にしろ!ってか。

・Prime プライム 第一級、一線級・・・ロードタイヤ。あっ、ふつうだ! へなへな、、、

・Death Grip デス グリップ 死ぬほどものすごい食いつきのこと・・・MTBタイヤ。なんか、普通だぁ。Maxxis とかのタイヤにありそう。

・Aeros エアロス 航空の+s 造語 ・・・ Quantum用フォークの名前。航空機のイメージね。


 結論としては、すごく凝ったネーミングと、フツーのネーミングの2種に大別できるが、極端ですね。

 主宰的には Strata   ストラータ Panache パナッシュ Fervor ファーバー Adept アデプト なんかが気に入っています。あまり聞かない単語ですよね、そのせいかな。

 Adept アデプト のように、最近復活したペットネームもあります。ほかの名前も復活して欲しいな。


2001/03/19

 

1994年モデルで導入されたシートポストの新しい固定方法=ZipGrip搭載バイクについては、どうも米国内ではリコールが行われたようです。主宰は最近知りました!

リコールの原因は、ZipGripがシートポストを完全に固定するには人間の手だけでは不可能で、仮に手で締めたところでシートポストが回ってしまう現象が起きたためだそうです。

このため、リコール以降はZipGripシステムは放棄されました。

新技術って、難しいなあ。

日本にZipGrip搭載バイクが輸入されたかは未確認です。

主宰は、当時の輸入代理店 (株)モトクロスインターナショナルが供給した1994カタログに付いてきたコピー書類(1993.11.22)なるものを持っていますが、これには1994モデルにZipGripが搭載される、と、確かに書いてあります。

これによれば、

「ZipGripー全く新しいSeat Post固定システム。従来より強く、軽く、又、レバーが無くなった事でライダーの足に接触することもありません。 SEAT TUBEの割りがないことで雨水の浸入も防げます。SEAT POSTの高さ調整がワンタッチでルックスもクリーンそのもの。」(原文ママ)

だそーで。たしかに画期的なシステム(に見える)!

日本に来るまでには発表から数か月かかることから、搭載車は日本に来なかった可能性もあるね。該当するのは 1994 Adroit Attitude、Pulse。

ちなみに、Adoroitの1994モデルの価格は フレームセット(クライン用語でfuselage)で440.000円でした。RockShox Mag21付きで524.000円でございます。くわ〜っ! Mag21、そのころ84.000円っすかあ、かんべんしてください(笑)。なつかしくもあり。


2001/03/14

クラインのロゴマークについて調べてみました。

第1期(〜1993)

第2期(1994〜1997)

第3期(1998〜)

 

個人的には第3期のがデザイン的にキレがあって好きですね。万人好みですかね。2期は癖があるね、、、

バランス的にも3期の方がすぐれているかもしれんな。


・ロゴの表現手法について

さて、クラインバイクに実際に付せられるロゴは、デカールではなく塗装です。

剥がれにくいというのは、塗装によるロゴの利点でもあり欠点でもありますな。

第3期のクラインのロゴは、デボスとゆって、周りの塗装と明らかに違う塗装面で表現されています。渋いね、まー。

ここはコストダウンしていないね。第3期のロゴは、割れにくそう。


主宰のMTBファーバーの塗装ロゴは、経年変化ですこし割れてきたので、タミヤの塗料で補修してあります。

第2期以前のロゴの塗装は第3期に比べて薄いので、温度差とか湿度とかの経年変化によわいかもしれんな。

   この項の次回(時期未定ですが)は、ペットネーム(AdroitとかFervorとか)のロゴマークについて調べてみることにするよ。


2001/03/03

一部を除いて、クラインのHPが日本語化されました。朗報ですね。

直訳調なのはご愛敬だ。かえって臨場感あふれていいかも。

 http://www.kleinjapan.com/

 


2001/01/10

これは、2000年モデルからなんだが、MC(ミッション・コントロール)とよばれるクライン独自のステア・システムに大幅な変更がありました。

それは、MC−2からMC−3への変更です。


MC-2

〜1999

ステム・ハンドルバー 一体式。つまり、ハンドルバーとステムがあらかじめ溶接してある。

ヘッドはエアヘッド方式、超軽量、美しい。

ただし、ライダーの体に合わせた調整がムズカシイ。

対応サスペンションが限られる。ハンドルバーを選べない。


MC-3

2000〜

ステムはアイコン製特殊アヘッドを使用する。ハンドルバーは普通の方式で固定する。

ヘッドはエアヘッド方式。

自分の好きなハンドルバーを使用可能ではあるが、ちょっと変わったヘッドセット、、、でしかない。

対応サスペンションが限られる。MC-2より重く、美しくない。


まー、そんなわけで私は、身体にサイズさえ合えば、ステムとハンドルが溶接されたMC−2のほうが先進的だと思うのだ。

そして、なんかすごくスペシャルなのだ。

なんといってもボルトを廃して溶接のみに頼った構造が格好いいとゆーか潔いとゆーか。

それに比べMC−3は、単にちょっと変わったヘッドセットがついているバイクにすぎないのかもしれない。

いまは、ちょっち変わったヘッドセットといえばケーンクリークの「インテグラル」とかがあるからね。

はぁ、、、(嘆息)

近年、サスなしMTBが見直されてきている。軽量なバイクで、ダイレクトに地面の衝撃を楽しむのだ。

クラインもこうした動きに併せて、MC−2とリジッドフォークを復活させて欲しいな。



2001/01/03

21世紀最初の定点観測です。ことしもよろしくね。

クラインのMTBラインは、2001年モデルからディレーラー・ハンガーが、リプレーサブル・タイプになった。

ロードバイクラインは従来型ディレーラー・ハンガーのままだ。

リプレーサブル・ディレーラー・ハンガーとは、簡単に言うと、破損しても交換が出来るというものなのだ。

山で機材を壊すことが多いマウンテンライダーには朗報かもしれないんだ。

他のメーカーはもう対応してるところが多いんだが、クラインは遅れていた。

しかし、リプレーサブル化したために軽量化が若干犠牲となるので、そこは考え方かもしれないね。

あと、いくらリプレーサブル・タイプといえども、取り付け部分の根元が破損したらおじゃんなのだ。

気をつけよう!


2000/12/31

20世紀最後の定点観測となりますが、今回はクラインのテクニカルマニュアルなどについて紹介しよう。

ここに、詳細なマニュアルがある。 >http://www.kleinbikes.com/tech_guide/index.html

マニュアルは2種類。

いずれもpdfフォーマット、もちろん英語だ。英語が苦手な人でも、写真や図を頼りに読みすすめられるでしょう。

ただし、容量が若干大きいので注意だ!

テック・マニュアルについては、ほとんどゲーリー・クラインの自慢話(笑)のよーなもので、読むと楽しい。


2000/12/31

月刊アフタヌーン2001年2月号  鬼頭莫宏 作 「なるたる」というマンガに、クラインバイクスが KEILNなる名前で登場。 

アルミ製マントラと、新型アデプトらしき2台のバイクが、主人公の少女シイナとその父親が乗るバイクとして登場している。新型アデプトは、シイナの中学校入学祝いに父親が買ってあげたのだ。

もっとも、この物語は凄絶なSF物語であり、今後、これらクラインバイクスが活躍する見通しは、たぶん、ないな。

あえて指摘するならば、シイナにはアデプトのフレームサイズは少々大きすぎるようだ、、、マンガに突っ込まなくてもいいか。


2000/12/20

  • クラインの新型バイク アデプト Adeptについて、クラインのサイトを情報源にして紹介しよう。    Adept
  • かつてのAdept

    かつて、クラインのクロスバイクとして同じ名前のAdeptというバイクが発売されていたんだが、1994モデルまでだった。リジッドフォークでMC2ステアシステム。格好はアドロイトに似ているが、ジオメトリーがクロスバイク用だったようです。その当時の価格は、フレームセットだけで258,000円もしたんだよ!

    新型の概要

    これに対し、新型Adeptはフルサスペンションのクロスカントリーバイクだ。

    全体の構成はゲーリー・フィッシャーのSugarシリーズとほぼ同じ。リアバックは、たぶんSugarと同じものではないか?

    (クラインとゲーリー・フィッシャーは、ともにTREKに買収されたもの同士。)

    チェーンステイはクラインタイプではないようだ。マイクロドロップアウトではなく、普通のバイクと同じく、下からタイヤを入れるドロップアウトになっていることから推測しました。

    クラインの独自性は確保されているか?

    バックがフィッシャーと同じように見える、、、では、他の部分は?

    メインフレームはグレーディエント・チュービングだった! 内蔵ケーブルも健在。エアヘッドセットモデルは用意されていない。

    今後の展開?

    クラインとフィッシャーの合作のように見えちゃうAdeptなんだが、かつてのMantraが3年を経てクライン的に洗練されてきたように、このモデルは次第にクライン色を強めていくのではないかと思う。いずれバックもクライン製になることを期待している。


    2000/12/10

    まず最初にこの会社のサイトを紹介しよう。「AND PRODUCTS」。

    MTB専門チューニングメーカーだそうで、とくにクラインに非常に強い! とにかく、94年以前のリジッドフォークの付いたクラインの改造に絶対の自信があるみたい。山岳用、レース用とすごい改造メニューをもっているそうです。

    Vブレーキ対応していないクラインの内蔵ケーブルルートを変える溶接技術もあるんだって!すごいっ!

    そして、クライン本社並みかそれ以上のクオリティの塗装会社とのコネクションがあるそうです。うーん、やるな。

    こんな熱いクライン関係のサイト、他に見たことないなあ。ともかく、クラインはこのように人を熱くさせるバイクなのだっ!


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