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KLEIN LEXICON   クライン・フリークのための用語辞典


訂正 2007/11/04

以前、このサイトでは、クラインプレシジョンBBについて、「ロックタイトを用いた焼きばめ」と表現したことがある。ロックタイトについて勉強した結果、実はこれは間違いであった。焼きばめではなく、「ロックタイトを併用した圧入」というのが正しい。ネット(2ちゃんねる)など、いろいろな方からご指摘をいただき、お詫びして訂正するとともに感謝申し上げます。

よって、このページの「焼きばめ」の項を削除します。


あ行

圧入BB(あつにゅう・びー・びー)

96年以前のクラインのBB(ボトムブラケット)の形式。クライン専用として開発されたシールドBBアッセンブリーが、ロックタイト接着剤を使用してBBシェルに圧入されていた。アッセンブリーユニットは完全に密閉され、長期にわたるメンテナンスフリーを実現していた。この圧入BBには、ポルトガル製であることが刻印されている。クライン・プレシジョンBBの項、焼きばめの項、ロックタイトの項を見よ。

アルミニウム(アルミナム)

クラインのバイクのほとんどを形成する軽金属。比重が非常に小さく、腐食に比較的強い。クラインは、アルミ会社から航空機用クラスのアルミニウムを購入または特注していることで知られる。

アンド・プロダクツ(AND Products)

オールドクラインの日本唯一(世界唯一?)のチューナー。コンセプト設定/溶接/パーツ開発/塗装の手配などをトータルに行い、オールドクラインを蘇らせる活動を行っていた。Reset Racingに匹敵する。 http://www.wink.ne.jp/~and/

インターナル・ケーブル・ルーティング (Internal Cable Routing)

チューブ内にブレーキワイヤーやシフトケーブルを内蔵させる工作のこと。クラインは美しいインナー・ケーブル・ルーティングで知られる。内蔵ワイヤーを全部抜いてしまうと、再度挿入することが困難であった。掃除機の項を見よ。

ウォータールー (Waterloo, WI)

ウィスコンシン州の小さな町。トレックの本拠地であり、クラインの本社と工場がある。

エクスクルーシブ・プロジェクト・グループ

EPG(イー・ピー・ジー)の項を見よ。

エアヘッドセット(エアヘッド・コレット・システム)(AirHead Sst, AirHead Collet system)

クラインによるアヘッドセット(Ahead Set)の新解釈。アヘッドはDiaCompe社の特許であるが、エアヘッドはkleinの特許である。94年に開発された。ヘッドセット本体は大径のヘッドチューブに内蔵されており、メンテナンスフリー、超軽量を実現していた。コレットとは軸受けのこと。

エアロス (Aeros)

クラインのクリテリウム・レーサー、クァンタム・プロに搭載されているカーボンフォークの名前。

オンセ (ONCE)

スペイン盲人協会が所有する、カテゴリー1の有力トレードチーム。1993年のツールにおけるヒルクライムとタイムトライアルのステージでアレックス・ツーレらがEPGクァンタムに乗って戦った。

か行

カーボン・ファイバー

炭素繊維と訳す。高強度の素材。アクリル繊維を焼成して作られる。クラインはアルミバイクメーカーとして知られるが、カーボン製作もトレックに買収される以前から行っていた。ストラートゥム・ハンドルバーの項を見よ。

企業買収

クラインは1996年にトレックに企業買収された。ゲーリークラインがクラインのオーナーでいられることからみて、買収手法は増資引受だったと推察される。

クライン・プレシジョンBB

圧入BBの正しい名称。プレシジョン Precisionとは、精密機器という意味。

クライン・ロード (Klein RD)

ワシントン州シェヘイリスにある通りの名。ここに、2001年の12月まで、クラインバイクスの本社があった。いまはどうなっていることか、、、往時が忍ばれる。もちろん、この通りの名は、クラインの本社があったことからつけられたものだ。Klein RDと記述される。

グレーディエント (Gradient)

クライン独自のアルミチューブ加工法。日本語訳は「勾配」。無段階にチューブの肉厚を可変させることからこの名がある、高度なテクノロジー。

グレーディエント9320 (Gradient 9320)

93〜94年のカタログには、グレーディエントの後に9320の文字がある。この数字はなにを意味しているかは不明だが、この当時、9000番台アロイの命名権を狙っていたのかもしれない。

ゲーリー・クライン (Klein, G, Gary)

クラインの創立者。マサチューセッツ工科大学を卒業後、クラインを創設、ファットチューブによるアルミバイクをはじめて開発したといわれる。

コマンド・ジオメトリー(command geometry)

2001年モデルから採用された、ロードバイクのフレーム・ジオメトリー。BBハイトを下げたことにより、コンパクトなフレームとかつ低いスタンドオーバーハイトを実現した。

さ行

サン・マーティン (San Martin, CA)

カリフォルニア州の小さな町。サンフランシスコから南東に100kmの位置にある。ジム・ウィリアムズとゲイリー・クラインがボストンから移動して、最初の工場を持った。それは、ゲイリー・クラインの両親が所有していた果樹園のポンプ小屋であった。ポンプ小屋の項を見よ。

http://maps.yahoo.com/py/maps.py?csz=San+Martin,CA

シェヘイリス( Chehalis, WA)

米国ワシントン州の小さな町であり、クライン・フリークの聖地。クラインの本社が2002年初頭まであった。現在でもゲーリー・クラインが住み、クラインバイクのテストや開発を行っている。シェヘイリスでのお食事はこちら

ジム・ウィリアムズ (Williams,Jim )

かつてのクラインの共同経営者。MITのCenter for Innovationという学内ベンチャーにおいて、教授1名、学生1名、そしてゲイリー・クラインとともに、計4名で1975年にクライン・バイシクル・コーポレーションを設立した。その後、ジム・ウィリアムズはクラインとともに、教授1名、学生1名からビジネスの権利を買い取り、2人で共同経営することとなった。その後、ゲイリー・クラインとともに、カリフォルニア州サン・マーティンに移転し、フレーム製作のビジネスを始める。しかし、フレームの売れない貧窮時代が続いたため、ジム・ウィリアムズは共同経営から離脱した。

ストラータ (Strata)

アドロイト専用のリジッドフォークとして開発された。ユニクラインフォークにボロン、カーボンで補強を行っている。

ストラートゥム (Stratum)

クラインが製作していたMTB用ハンドルバー。93年型は110g、94,95年型で90gと超軽量であった。また、バーエンドエクステンションを付けたブルホーンタイプもあった。

スピナー(Spinner)

Pinnacle、Rascal、Fervorなどに装着されていたクロモリフォークを製作していた米国の会社。

スポット・オン・ピボット (Spot-on Pivot)

マントラとカーマに搭載されていたリアサスペンション用の巨大なピボット。マントラ系フレームのトップチューブのど真ん中にある。そのようなところにピボットをもうけると構造上フレームがもたない、という常識を覆した。

スマートバー (Smart Bar)

ミッションコントロール1型に、サスペンション機能を組み込んだもの。

掃除機

完全に抜いてしまったインターナル・ケーブル・ルートに、再度ケーブルを通す際に使用する最終手段。つまり、挿入するインナーワイヤーの先端に瞬間接着剤で長い糸を付けて挿入し、ほかの開口部を塞ぎ、ケーブルの出口から掃除機で吸うことでワイヤーを通すことができる。インターナル・ケーブル・ルーティングの項を見よ。

た行

ダリル・ヴォス(Voss, Darrell W.)

1996ころまでVice President of Operations(業務担当副社長)として、クラインのほとんどの特許出願に関係していた。

ティンカー・ウォーレス(ティンカー・フアレス) (Tinker Juarez)

長髪がイカす、米国の伝説的MTBレーサー。もともとはBMXライダー。1990年〜93年、クラインのワークスチームに所属し、アドロイト、アティチュード、ラスカルに乗って戦った。

http://www.mtnbikehalloffame.com/inductees.cfm?page=99&mID=124

デュレタン (Durethan)

エナメル系塗料の名前。96年頃までクラインの塗装に使われていた。デュレタン・エナメルなどと呼ばれる。

トレック (Trek Bikes)

クラインを買収した米国屈指のスポーツバイクメーカー。ゲーリー・フィッシャーレモンボンレーガーを傘下におさめる。

な行

ナイト・ストーム

クライン世界でもっとも有名な、フレームに夜の嵐の絵を描いてあるカラーリング。非常に美しい。最初期はたんに「ストーム」という名前だった。トロイ・リーがデザインしていた時期もある。

は行

パロアルト (Palo Alto, CA)

カリフォルニア州の小さな町。サンフランシスコから南に50kmの位置にある。ゲイリー・クラインが幼少時代、両親とともにすごしていた。おそらく、サン・マーティンでの農場経営に伴うものであろう。パロアルトにはGUIの発明で有名なゼロックス・パロアルト研究所がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%88

パワーチュービング (Power Tubing)

グレーディエント開発(1994)以前にクラインで用いられていたバテッドチューブ加工法。多くはダブルバテッドであった。グレーディエント導入以降も、廉価版モデルで使用された。

ハンドクラフテッド・サイエンス(Handcrafted Science)

1998年頃から使用されているクラインの宣伝コピー。「手で作られた科学」、「手工芸による科学」、「手製の科学」などというイミだが、「子供の科学」みたいです。

ピーター・チュー(Chu, Peter)

ゲイリー・クラインとともにMIT ホイールメンを設立したMITの学生。ともにロードレースなどに出場していたと推測されるが、どのような人物だったかは不明。MIT ホイールメンの項をみよ。

ファットチューブ (Fat tubing)

アルミの大径チューブによるバイク製作は、クラインがはじめて行ったこととされている。

フューズラージ (Fuselage)

かつてのクラインのバイク製作における主要なアイデアであり、きわめて重要な概念。フレーム、フォーク、BB、ステム、ハンドルバーを一体として見た、バイクの主要部分を指す。フューズラージとは、もともと航空機の胴体部分をさす航空用語である。ライド・コントロール・システムの項を見よ。

プレ・トレック(Pre-TREK)

米国のオークションなどで使用される用語。要するにトレック社によるクライン社の買収以前のクライン製品のこと。

用法: Pre-TREK Attitude, blue-pink, good conditioned, no dent, a few scratches on the chainstays,

ホリゾンタル・ドロップアウト (Horizontal Drop-outs)

肉厚のアルミ無垢からなるリアホイール固定用エンド。強力な固定力を実現した。通常のバイクとは異なり、タイヤを後方から抜く、トラックバイクのようなエンド形式であった。後、マイクロドロップアウトに発展した。

ボロン

タングステンから作られる金属繊維。カーボンやアルミとともに複合素材として用いられる。ストラータの項を見よ。

ポンプ小屋

ゲイリー・クラインの両親がカリフォルニア州サン・マーティンに所有していた果樹園のポンプ小屋であるが、ジム・ウィリアムズとゲイリー・クラインが、クラインの本格的営業を開始するにあたり、フレーム製作工場として使用した。


ま行

マイクロ・ドロップアウト (Micro Drop-outs)

ホリゾンタル・ドロップアウトから発展した超小型エンド。超小型なので超軽量であった。機能や性能はホリゾンタル・ドロップアウトと変わらない。ロードバイク・クァンタムIIではじめて導入され、順次MTBにも採用された。

マサチューセッツ工科大学 (MIT)

世界屈指の工業系大学。ゲーリー・クラインの母校。

ミッション・コントロール(Mission Control)

02年現在まで、1型〜4型が開発された、クライン独自のステアリングシステム。それぞれMC−1、MC−2、MC−3、MC−4と略して呼称される。1〜2型はステムとハンドルバーが溶接されていた。ミッション・コントロールとは、宇宙計画における管制センターのことを指す。ミッションはエンジンの伝導装置を指すと同時に、基督教における布教、伝道、転じて宇宙計画などの重要任務を意味する。

や行

ユニクライン(UniKLEIN)

アティチュード、アドロイトなどに搭載されていたリジッドフォーク。ユニクラウン形式で、同時代のフォークの2倍弱の太さがあり、ショック吸収性に富んでいた。後にアドロイト専用フォークとしてストラータに発展した。

ら行

ライド・コントロール・システム (The Ride Control System)

フューズラージと呼ばれる以前のフレームセットの呼び名。93年以前はこう呼ばれていた。

リーシ・グリワール(リシ・グレウォール)(Grewal, Rishi )

1994年からクライン・ワークスチームに所属する長距離ライドのスペシャリスト。数々の24時間エンデュランスなどに優勝している。http://handlebarandgrill.com/htm/pro/rishi_bio.htm

リセット・レーシング(Reset Racing)

オールドクライン/オールドストーク用の各種パーツを開発している独逸の企業。オールドクラインに対し、執拗にパーツを供給し続ける。AND Productsに匹敵する。http://www.reset-racing.de/

リニア・フェード (Linear fade)

クライン独自の塗装方法。エアブラシなどによる「ぼかし」ではなく、まるでフォトレタッチソフトで実行するリニア(線型)・グラデーションのような、非常に美しい塗装。ところで、クラインの塗装はリニア・フェードだけではなく、普通のぼかし手法による色分けや、手描きによるものも存在する。すなわちクラインのグラデーションはすべてリニア・フェードではないことに注意のこと。

ロックタイト (Loctite)

ヘンケル・ロックタイト社の金属はめ合い接着剤。圧入BBのはめ合いに使用された。

わ行

数字

6061

01モデルまでのクラインバイクの主要モデルを作っていたアルミの合金呼称番号。耐食性に優れ、構造用部材やリベットなどに使用されるそうです。

アルファベット

A hand is only as good as the brain telling it what to do

98年ころのクラインのキャッチフレーズ。「技量は、手に命令を出す頭脳の程度に連関する」と訳してみた。ちなみに、トレックジャパンの訳は、「腕のよさが、それに命令を出している頭のレベルを超えることは絶対にありえない」です。 大胆な意訳ですが雰囲気はあります。けど、「絶対にありえない」のあたりがちょっと言い過ぎの部分がありますな。

EPG(イー・ピー・ジー)

エクスクルーシブ・プロジェクト・グループの略。1994年の米国版カタログには、クラインには、EPGという、レースなどに使用する特殊バイクの製作を行うための部署があると記載されている。実機としてEPGクァンタムが製作された。

EPGクァンタム

93年型クァンタムIIをベースに製作されたオンセチーム専用スペシャルパッケージ。ヒルクライム、タイムトライアルに使用された。

Nothing else even comes close

「近づくことさえ、できるものはない」 93年ころに使われていた、クラインのキャッチフレーズ。

MIT

マサチューセッツ工科大学の項を見よ。

MIT ホイールメン(MIT Wheelmen)

ゲイリー・クラインがピーター・チューとともに設立したMITの自転車クラブ。当時はMITでは自転車クラブの活動がほとんどなかったことから、彼らが新たに立ち上げたものとされる。ピーター・チューの項をみよ。

MC-1 (MC-2, MC-3, MC-4)

ミッションコントロールの項を見よ。

ZR9000

ゲイリー・クラインが開発したアルミ合金。トレックグループ内でZR9000と称する。ジルコニウムなどを配合した全く新しいアルミ合金で、国際規格でのアルミ合金呼称番号9000番台をはじめて取得する予定とのこと。大きく出たな。本当に取得できるのか?


間違いがあるかもしれないので、その節は教えてくださいね。


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