新型装備実験室

ここでは、レースに役立つ(かもしれない?)装備を、流用とか自作とか特注とかで作っていこう。例によって、お薦め度は★5つで満点だ。


実験その1 ホイールセットのどうしようもないかさばり具合を解決する

(1)趣旨

レースなど、遠隔地でバイクに乗る場合、クルマにバイクを積んで行くんだが、オレのクルマは小さいので積むのに難儀します。大きなクルマならば、ホイールを外さずにそのまま積めたりしますが、オレのクルマでは無理。さらに戦友S氏のバイクも一緒に積んでいくことが多い。その場合、機材だけでなく、他の装備や宿泊用の荷物も積まなければならんので、さらに難しくなる。長年積載方法について悩んできましたが、主にその悩みの原因はホイールだった。 なぜか?

 混沌とした状態。これ以上なにを積めるというのか。

それは、MTBのホイールは常に泥が付いているからですな。加えて、タイヤは円形。座りが悪いンです。そのため、超大きなポリ袋などに入れたり、段ボールで箱を作って入れたり、試行錯誤を繰り返して来ました。しかし、それぞれ欠点があった。

ポリ袋に包めば、たしかに車内は汚れないんだが、ホイールにある突起物(アクスルとかスプロケとか)があんましガードされないため、バイクや人体に傷を付ける恐れがあり、、、そして、移動中にガサガサ音がして超うるせぇー!また、段ボール箱だと水に弱いという致命的な欠点がありました。ふやけてふにゃふにゃになりますね。そして、箱なのでけっこうかさばる。
  改良してみたが余り効果はなく、かえって混沌としている始末。
だったらさー、ホイール専用の、ホイールバッグなるものがあるんだから、それを購入すればいいんじゃねーの?といった意見もある。実際、タイオガなどからホイールバッグが販売されている。値段的にもリーズナブルですな。緩衝用パッドも入っていて、より安心といえる。
しかし、こうした製品の場合、ファスナー締めであるため、機動性に若干難がある。
すぐホイールをクルマにぶちこんで帰りたいんですよオレは!もたもたスキュワーを抜き、ファスナーを閉めている間に、雨でずぶぬれになっちまうぜコノヤロウ!あわててスキュワーのバネなんか飛ばしてしまったりしてな。探してる間にブヨに刺されちまうぜ!かゆいぜコノヤロウ!


(2)模索

これらの諸問題を一挙に解決する方法について、考えてはいた。
イメージ的には、トラックの幌のような材質の分厚い布でつくられた、ホイールを2本入れることができる、巨大な袋。そして、開口部に簡便な持ち手が付いていればいい。
これなら、クルマに積むときすぐ出し入れが可能で、まわりの人や物に汚れや傷をつけることもなかろう?また、こうした分厚い布は、風雨にさらされる帆や幌に使われるほか、水を入れる簡易バケツとしても使われている。つまり、水にもけっこう強いのだった。
少なくとも、段ボールよりかは。
しかし、どこに製作を依頼できるだろうか。最初はトラックの幌を製作している業者さんを探したんだが、こうした特注品をつくってくれそうなところはなかなか見つからない。そんなこんなで数年間頓挫していたのだが、、、
そんなある日のこと。
ふとした瞬間、いつも洗濯物などを入れているトートバッグを改めてみたとき、「これだッ」と思いましたね。
これを単純に大型化すればいいんじゃねーの?つまり、ホイールの入るトートバッグをつくればいいんじゃないか。
  これの巨大版。どれほど巨大にできるというのか。
トートバッグを作っているショップなら、けっこうあるはずだよ。餅は餅屋。
さっそくトートバッグの特注製作に応じてくれる企業のほむっぺを訪問しました。話を聞いてみたところ、特注にもかかわらず、わりあい安価で製作してくれることがわかりました。では、依頼しようではないか。
http://www.hide-aci.com/


(3)完成

その結果、完成したのはコレ。値段は7500円くらいだったよ。寸法は、縦70センチ・横75センチ・幅25センチ。
とにかくでかい。
厚手の帆布なので、10年はもちそうだ。
   できた。でけえー!実際にはホイールは全部バッグに入る。
色はカーキ。汚れが目立たないようにだね。口の部分と、底の部分は補強のため二重になっています。あとは持ち手が付いているだけだ。
あっと、これはリムブレーキ用の26インチホイール対応なんで、ディスクブレーキ仕様だと、もうすこしマチに余裕が必要かもね。自分で作成を依頼するときは、自分のホイールで検証してみてね。
さて、実際に使ってみた。その結果、26インチホイール(リムブレーキ用)については、ぴったりの大きさだった。ちと、ぴったりすぎるくらい。もう5センチくらいずつ寸法が大きいと使い勝手も向上するだろう。袋の口を閉じるなにか、が必要だ。でないと、だらんと袋の口が垂れ下がってくる。で、自分でアイロン接着式ベルクロ(マジックテープ)を買ってきて、つけました。
さっそく今年(2005年)歌津と仙台で使ってみた。歌津では、時間の関係ですぐに撤収しなければならなかったので、洗車をしている時間がなかった。そこで、このバッグにどろだらけのホイールを入れることで、すぐに撤収することができた。また、クルマに積む際も、ホイールがバイクフレームに直接干渉しなくなったので、より積載しやすくなった。このことで、クルマの荷室を有効に使うことができるようになった。
以前まではオレのクルマの荷室は、混沌の館そのものだったのだが、このバッグの導入によって、友人を呼べる小洒落たマンションみたいになったわけだ。
  こうして荷室に置く。あきらかに混沌感が薄まったようだ。
というわけで、車内に積載する人にとっては、こうしたホイールバッグはすごく有効だということがわかったよ。安全だしな。
もっと早く作れば良かった、、、、
つーか、シマノ・マビックはこれを採用しる!
では、弊社恒例の命名になります。その名も、Topographic Tote トポグラフィック・トート
今回の評価:
お薦め度は★★★★だ。口にホックかなんかをつければ、もっと使い勝手がよくなるだろう。帆布は防水帆布だとさらにいいかもしれません。


(この項終わり)


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