もどる


KLEIN Fervor 1994(KLEIN USA) 近代化改修


#18-9 考察


今回初めてBBを換装してみたのだが、意外なほど簡単にできた。問題はBBシェルのフェイスカットの方法だ。これは今後の検討課題だろう。

さて、ここ数年でBBの様相は大きく変わった。カンパニョーロ以外は、ほぼHollowteck IIタイプの貫通式クランクとなり、シマノ・FSA・RaceFace間ではクランクの差し替えが可能になっている。いずれこの流れは拡大していくと思う。 

ということは、いったんResetのHollowteck IIタイプのBBを入れてしまえば、クランクは選び放題になるわけだ。(シェル幅が合っていれば、の話だ)クランクの交換も非常に簡単。たとえば練習ではLXを使い、レースではDeusとかな。日常的にこうしたことができる。

Hollowteck II時代の到来で、オールドクラインは本来の性能を発揮することができるのかもしれん。15年の時間を飛び越えてね。

さて、ロックタイトを併用した嵌め合いという手法は、専用工具さえあればとても楽だということがわかった。圧入BBにはスレッド(ネジ山)がないので、スレッドに由来するトラブルとは無縁だったろう。ゆるんだり、きーきー鳴ったり、錆び付いてとれなくなったりすることもなかった。欠点は、取っつきにくいということだけだった。

かつて、クラインの専用工具は15000円で売っていた。もしかしたら、これはフレーム(Fuselage)に付属させていたら良かったものかもしれん。そして、スリーブを塩ビにしたり、部品点数を減らしたり、汎用部品にしたりすればもっと安く製造できたと思う。原価としては3000円もしないんじゃないかな。


Trekから独自規格を満載した2008年Madoneが発表されていたのだが、なんと、カーボンシェルへのスレッドなしのはめ込みBB、はめ込みヘッドベアリング。圧入ではなく、はめ込み。ロックタイトも不要らしい。つまり、基本的な考え方はオールドクラインと同じ。

ここへ来て、オールドクラインの現代版みたいなバイクが登場したわけだが、オレとしてはようやく時代がクラインに追いついた、と思いたいのだ。ゲイリー・クラインの「思想」自体はけっして失われてはいない、、、とね。


しかし、2008 Madoneの将来についてはいろいろ考えるところがある。仮にだが、数年後(たぶん10年後くらいに)ヘッドとかBBの補修パーツの供給がなくなったら、、、、あるいは、バイク世界に新たなBBやヘッド規格が登場したら、、、、、?

2008 Madoneはおそらく現在のオールドクライン的な境遇を辿るのではないだろうか。独自規格の宿命といえるだろう。

そのとき、我々のように執念深くアップデートし、乗り続けようとする人たちが現れるだろうか。ちょっと興味深い。

たったこれだけの工具があれば外せるというのに


inserted by FC2 system