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KLEIN Fervor 1994(KLEIN USA) 近代化改修


#18-7 BBの取り外し


いよいよ実行の第一段階の日がやってきた。つまり、取り外し段階。11月初旬の寒い日である。家の裏にある物置小屋に、シートを敷き、フレームを逆さに置く。そして、工具類を持ち込んだ。あらかじめ、ケーブルガイドはドライバーを差し込んで外しておく。

いよいよその時を待つフレーム

ヒートガンを作動させた場合、小屋の電源容量がもつか不安だったが、試運転してみたところでは、ブレーカーも落ちず、なんとか持ちそうだ。

では、いよいよ作業開始。

巨大なドライヤーの親玉、ヒートガンのスイッチを入れると、、、ぶおーという音とともに風が吹き出す。これをBB周辺にまんべんなく当てていく。急激に熱くなる、という感じじゃなくて、じんわり暖まっていく感じ。それでも、3−4分で触れないくらい熱くなってきた。80度ってこのくらいだろうか、、、?

ヒートガンをオフにし、工具セットをBBSカートリッジに接続し、モンキーレンチで真鍮ナットを回し始めると、、、おっ?意外とあっさり回る。いや、、、本当に意外。事前に試した時にあれだけ固かったのが、ウソのようだ。

これが大阪の格安ヒートガンの力なのか!せ、性能が、、違いすぎる(ドライヤーとは)。

ぐいぐいBBSカートリッジが抜けていきます。そして、ある位置で回らなくなる。どうやら、つっかえとなっているスリーブが短いせいで、これ以上抜けない状態のようだ。手で外そうとしてもはずれない。やはりもっと力が必要なのだ。

しかし、、、まだ終わらん。スリーブがあと2センチ長ければ外れるのだ。では、もうすこし長いスリーブを調達しなけば、、、


というわけで「困った時のホームセンター」にやってきた。


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ホームセンターに来ればだいたいの物事は解決できる、、、と思う。いいすぎだろうか。

とりあえず、丈夫そうな金属パイプを探すが、なかなかスリーブと同じような太さのものはない。困ったなー。

そこで目に付いたのが、水周り用品のところに置いてた、塩ビ樹脂でできたパイプ継ぎ手(三菱樹脂製)。ちょうどいい太さ&長さだ。うおっ!これでいいんじゃねーの?値段も127円だし、、、心配なのは強度くらいだ。

すぐに小屋にとって返し、再度挑戦。今度の塩ビはスリーブより3センチくらい長いので、塩ビの強度さえ持てばBBSは抜けるはず。、、、どきどきしながら再びシェルを暖め(もう暖めなくともいいと思うが念のため)、モンキーレンチで真鍮ナットを回すと、、、

意外なほどくるくる回る

塩ビは壊れる気配はなく、真鍮ナットが回っていく。回る、、、回るよ! 

そして、、、、ついに、すぽっとBBSカートリッジが抜けた!やったね。

上の手順を図解したものが、下の写真だ。

すっぽり抜けた。上の黒い筒が純正スリーブ、下の灰色のが塩ビ。

むう、、、感激。10年越しの懸案が、半分解決した瞬間だ。しかし、ヒートガンをあてただけで、こんなに簡単に外れるとは、、、

、、、そして三菱樹脂の塩ビ。これは使えるぞ。Reset BBSの名は、三菱樹脂と共に記憶されるべきだ!

あとは真鍮ブラシ(120円)でBBを清掃して、ロックタイトの残りを除去。シェル内部を傷つけないように、やさしくな。ディグリーザーで拭いて、エチルアルコールで脱脂して終了。

軽くこするだけにしときな

なお、今回の分解で、クラインのBBシェルは他のチューブから完全に独立していることが確認できた。つまり、シートチューブから入った水がBBシェルに侵入したりすることはない。また、BBシェルの形状は単なるパイプではなく、シングルバテッドとなっていることもわかった。

ちょっとのぞいただけだが感じる、その精密さ、、、、オールドクラインの底力を知ったよ。

中央部の方が広く、端のベアリング取り付け部分が狭いシングルバテッド。


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