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KLEIN Fervor 1994(KLEIN USA) 近代化改修 Updating


#17 Kowa Joule アップグレード


外観はアップグレード後でもほとんど変化はない


【はじめに】

Kowa Jouleは、数少ない日本製のフォークとして有名だ。2003年モデルとして発表されたが、その後小規模な改良を繰り返し、現在に至っている。2004年にはロックアウト用の手元操作レバーがオプションで選べるようになり、また、1インチヘッドモデルが限定発売された。そして、2006年モデルのJoule STからは「ブローオフ・システム」が導入されている。

このたび、2003〜2005年モデルにも、ブローオフ・システムが後付けで用意されることになったので、さっそく試してみた。


【新機能とは】

「ブローオフ・システム」とは、ロックアウト状態にしておいても、大きな衝撃が加わったときだけロックアウトがはずれ、ストロークする、というものだそうだ。

最新型の海外フォークが、「地面からの衝撃のみストロークし、ペダリングではストロークしない」という、いわゆる「ボビング制御」機能を追加してきたことに対抗しようというものだろう。

いわば、Kowaは擬似的にこうしたボビング制御を行おうとしたということなのかもしらんな。しかし、あくまで擬似的な対策だろう。

しかし、オレとしては、「ブローオフ・システム」の導入は朗報だ。レース中、いちいちロックアウトレバーをオン・オフしなくてもいいのだからね。

さらに、ありがたいことに、Kowaはオレの2004年モデルにも装着できるアップグレード・パーツを用意して、この機能をサポートしてくれることになった。価格は21000円だったんだが、さっそく購入してみた。

取り付けは、左レッグに入っているダンパーを、ボルトを外して引き抜き、アップグレード・パーツのダンパーを挿入し、固定するだけ。ものの5分で完了だ。あっけなく。

また、従来どおり、ロックアウトレバーがついているが、形状が改良されており、まわしやすくなった。願わくば直感的に分かるように、もっと矢印を大きくするべきだろう。

これが左レッグのダンパーについているレバー。ロックアウトは従来通り。

まん中のBLOWと書いてあるネジでブローオフ・ポイントを調整する。


【テストその1】

では、早速、トレイルでテストしてみよう。

ロックアウトがはずれる衝撃の値(ブローオフ・ポイント)は、左レッグについているネジを回すことにより調整が可能だ。とりあえず、強い衝撃でのロックアウト値に設定してみる。簡単にいうと、思い切り体重をかけなければストロークしない状態だ。

少々走ってみたが、違和感はあまりない。ヘンな挙動とかはないということだ。ただし、強い衝撃でしかストロークしないので、地面からの小さな衝撃は無視してしまう。小さな衝撃の総和は、ロングライドなどでは疲労の蓄積という結果をもたらすかもしれないが、レースなどではこれで十分かもしれん、と思った。

また、いちいち登りと下りでスイッチを入れ替える必要がないというのはうれしい。疲れてくると、スイッチを切り替えるのが頭から消え去ってしまうからね。

ただ、Kowaにも、FOXやマニトウなどのように、地面からの衝撃にのみ対応するような画期的なシステムを開発して欲しい、とも思う。

さて、この新型ダンパー、従来通り、ロックアウトを完全に解除することもできる。操作方法も従来通り、左レッグの上に付いているスイッチを回すというものだ。これは長い下りなどでは有効だろう。


【実戦テスト】

田沢湖でのレースという過酷な状況で再度テストしてみた。

結果ですが、黒森シングルトラックの激下りなどでも、違和感なく、スムーズに走ることができた。

しかし、木の根が露出するシングルトラックの登りでは後輪のトラクションがなくなってしまい、前に進むことが出来ない、という事態に遭遇しました。

以前はこのような挙動はなかった。リアタイヤのせいも大きいだろうが、Fサスのせいでないとも言い切れない。Fタイヤが浮くような、体重が掛かっていない登り状況では、Fタイヤが跳ねてしまい、このような結果になるのかもしれない。

木の根が露出するような、激しいシングルトラックでは、ロックアウトをオフにするべきかもしれん。


結論

★★★☆☆

アップグレードは結構有効だが、やはり海外メーカーなみの性能がほしい。とはいうものの、スイッチ操作をしなくていい、というのは朗報だ。

いずれにせよ、ユーザー側(オレのこと)でのセッティングをもう少し詰めなければならないだろう。


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