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KLEIN Fervor 1994(KLEIN USA) 近代化改修 Updating


#14 ハンドル周り改修


#14-3 ヘッドアングル


さて、バーとステムを溶接してしまう場合、いろいろ難しい問題が出てきます。それは、ハンドルバーの角度ですな。これをきちんと考えないと、バーがとんでもない角度で付いてしまい、二度と修正できません。このへんが一体構造の厳しいところ。


そこで重要なのが、バイクのヘッドアングル(ヘッド角)です。1Gでの乗車状態(いわゆる1G’)におけるヘッドチューブの角度を正確に測る必要があるわけ。ニッシーワークスにより、この角度を定めることが求められました。


オリジナルのファーバーは、クロモリのスピナー社製フォークがついてました。このときのヘッドアングルは、94年当時のカタログによれば70度(18インチの場合)。その後、KOWAのフォークに換装したのですが、スピナーに比べ5センチ以上長くなっています。そのため、ヘッドチューブも相当寝てしまっていることが推測されますが、未測定のままでした。

では、実測してみよう。

測定方法は、垂直に垂らした錐(スイ:おもり)に結んだ糸のつくる鉛直線と、水平線と、ヘッドチューブの中心線を取ることとなります。しかし、オレは実は錐をもっていない。ではどうするか。バイクと平行となる位置から写真を撮り、その画像から水平線・鉛直線・ヘッドチューブの中心線を取りました。このとき、重要なのは、なるべくレンズの褶曲(ゆがみ)が少なくなるよう、標準レンズの中心部分で撮るということ。


つまり、直角三角形の画像を得たわけ。このとき得られるヘッドチューブと水平線が作る角度を分度器で測ってももちろん可能なんですが、また測定誤差が出てしまいますね。

そこで、三角関数asin(arcsin)を使うと、より正確で簡単。辺の長さから角度を算出できます。

http://tomari.org/main/java/dentaku_kansuu.html

θ=arcsin(h/L)


 どうして辺の長さから角度がわかるの?arcsinってどういう意味?三角関数って、だれが発見したの?といったメルヘンチックな質問は弊社には聞かないようにしてください。((c)餅月あんこ先生)


こうして、現在のファーバーのヘッドアングルを算出しました。解は、66度。オリジナルは70度だったんで、4度も変わっています。おおう。ダウンヒルバイクなみだよ。現代のXCバイクはフォーク付きで70度くらいなんですがね。


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