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KLEIN Fervor 1994(KLEIN USA) 近代化改修 Updating


#14 ハンドル周り改修


#14-2 夢枕


バー・ステムの一体型について悩んでいた、8月上旬の寝苦しい夜のことです。

草木も眠る丑三つ時、オレの枕元にぼんやりとした何かが現れました。しだいにそのうすぼんやりとしたものが、人型に像を結び始めます。それは髭面の金髪の男のように見えます。彼はヘラジカが自転車に乗っている絵かなにかが描かれたスウェット、そして短パン、靴下にサンダルといったいでたち。彼はおごそかにこう言いました。


"Hi, Shusai" 「やあ、主宰」

"Ah..Who are you?" 「あの、、、あんた、誰?」

"I'm a man you want to see all along". 「君はずっと私に会いたいと思っていたんじゃないかな」

"What? You are Gar..". 「えっ、、、じゃあ、あんたはゲーリー、、、」

なんと、、、「あの男」のようです。オレは驚きのあまり何も話せません。彼は続けました。

"You want to get a MC-like bar-stem combo, but there seems to be no shop providing such a product in Japan, huh?" 「MCのようなバー・ステムの一体のヤツをほしがっているようだが、日本のショップでは扱っていないというわけだな?」

さすが彼です。すべてお見通しといった感じ。

"If there is no shop welding Aluminum, you should take an another way instead of using Aluminum". 「アルミを溶接できるショップがないのなら、アルミの代わりに別の方法をとればいいじゃないか」

"Excuse me... I'm afraid I say... Are you OK?" 「あの、、失礼ですが、、、正気?」

"Of course I'm sane. It's the consequence of logical thinking. Why don't you remember the alternative aerospace material?"「もちろん正気だとも。論理的思考の帰結だよ。他の航空宇宙用材料のことは頭に浮かばないのかい?」

"Alternative aerospace material?" 「他の航空宇宙用材料?」

"Right. Use the Google, and put the word, the first character of which is T".「そうだ。Googleを使ってみたまえ。Tで始まる言葉を検索するんだ。」

その男はそう言い残すと、煙のように消えてしまいました。むう、、、


気が付くと会社に遅れそうな時間になっていました。オレはすぐにママチャリにまたがり、会社へ向かいました。そして、あの男が話してたことを反芻していました。

Tで始まる言葉で、航空宇宙用材料といえば、アレか?

チタニウム。そうか。チタンならば、クロモリよりも軽量にできるだろう。


チタンの物性については、こちらを参照されたい。

サイクリストのための材料工学

http://forum.nifty.com/fcycle/fcyclo/mes7/material/metallurgy0.html

簡単に言うと、チタンとは、アルミより若干重いけれども、弾性に優れ、腐食・破壊に強いという素材である。クラインでも、かつてはMC用の引き上げボルトやクランクシャフトを作っていたことがあります。


では、チタンによるパーツ製作をしているビルダーはいるだろうか。オレはあの男のいうようにググってググってググりまくってみた。

そこで、行き着いたのがこのサイト。

Nissy Works  ニッシーワークス

http://www.nissyworks.com/

ここは、クロモリやチタニウムでのバイク製作を行っていて、チタンでのバー・ステム一体型のものを製作した実績がある様子。

ほう、、、やるなー。さっそくコンタクトしてみました。


すると、実際に製作は可能とのことです。バーのベンド角なども細かく指定可能。そして、使用するバーは比較的、肉厚があるので、エンドバーを取り付けることも可能。重量的には370g程度と予想されるとのこと。

現在、ファーバーに付いているステムとバーの合計重量は250gくらいですので、ちょっと重くなるかな。しかし、MootsやMoratiで製作しているチタンステムとチタンバーの合計重量はだいたい350g以上のようなので、まあいいかな。

チタンはバテッドチューブ化があんまり進んでいないらしく、どうしてもこのくらいの重量にはなるようですなー。バテッドしていない代わりに、むやみに頑丈であろうよ。

ちなみに、同じような一体構造のクライン製MC-2は317gと軽量に収まっていますな。


というわけで、総合的に考えてみた結果、注文に踏み切ることにしました(ええっ?)。

むう、、、いいのか?オレ。

(今回の注文は中国で製作するようです)


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