KLEIN Fervor 1994(KLEIN USA) 近代化改修 Updating
#11 水分との戦い
オールドクラインの天敵といえば、水。侵入した水が、チューブの下部にたまってしまい、フレームの劣化につながるようです。ここでは、水の侵入を防ぐための手段をいろいろと考えます。
以前、オリジナルのプレシジョンBBを取り外したとき、結構な錆が進行してましたっけね。あと、アティチュードのリストアの際も、ダウンチューブの下側のボトルケージマウントなどが腐食してたのにショックを受けましたよ。大体において水が原因となっていると考えられる。もしかしたら、シートチューブの一番下側とかに水がたまっていたりしたらとってもイヤですな、、、
水の侵入口として考えられるのは3つ。
(1)内蔵ケーブルの出口がダウンチューブの下側にありますが、ここから雨水や洗車の水が浸入する。
(2)BBの嵌め合い部分などから侵入。これは構造上やむを得ないところ。
(3)シートポスト付近から侵入。これはオールドクラインに限らず、全てのバイクに存在する問題ね。
なるべく雨の日は乗らないようにしたいところですが、レーシングバイクではそういうわけにはいかない。雨の日もレースはありますからな。対水侵入策を講ずることにより、すこしでもフレーム寿命を延ばしたいところ。
【対策】
(1)については、グリースを出口に塗ることと、以前、弊社が開発したオールドクライン専用フロントフェンダー(笑)、「ホログラムシールド」によってなんとか解決しますな。「ホログラムシールド」はダウンチューブをBB直下まで覆う構造。つまり、内蔵ケーブルの出口もカバーしています。泥の付着がなくなるので、泥と共に侵入する水には特に有効と思われる。
(2)については、グリースを塗って嵌め合い部分をガードすれば防げよう。あと、こんなシールドが存在するようです。(クエスト日進ね)。
http://www.bike-quest.com/mono/mono.html
しかし、油脂は水流とかで流れ出す、という問題があることも事実。雨の日の輸送中、クルマの屋根に積んだりするとてきめんに油脂が流出し、水が侵入するはず。クルマの室内に入れて輸送したほうがいいにきまっている。
(3)なんですが、これはシートポストをシートチューブに挿入するとき、グリースをまんべんなく塗っておけば防げるかな、とは思いましたが、、、
シートポストについては、断面積が大きいこともあり、水の侵入機会も多いだろう。オールドクラインの場合、シートチューブの割りがリアタイヤ側についていることもあり、跳ね上げた泥と共に、水が侵入する可能性も大きい。
そこで、この部分をカバーして、水が入らないようにしてしまえばいいのではないか。
具体的には、ネオプレーン製のカバーで覆う、という方法ですな。Woodsmanという会社のチェーンステイカバーを購入し、これを適当な大きさに切って覆うことにしました。都合のいいことに、チェーンステイカバーにはベルクロがついていて、固定が容易です。
値段は780円。むう、、リーズナブル。これでだいたいバイク3台分のカバーがとれます。
作り方ですが、割入れの部分までをすっかり覆うような大きさにネオプレーンを切ります。この例だと、縦の辺が8cmですな。
そして、バインダーボルトが通るように、直径5mmの穴をあけます。ネオプレーンは伸びるので、この程度の穴の小ささで十分です。これで完成。簡単でしょ。
装着すると、こんな感じ。
これにより、水の侵入を防ぐと共に、シートポストが泥でじゃりじゃりして傷む現象を防ぐことができます。