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KLEIN Fervor 1994 近代化改修


#1 このバイクの概要


クライン・ファーバーは、1994年から95年にかけて生産されました。一部は93年にも生産されていた形跡があります。未確認ですけどね。で、96年のトレックによるクライン買収のあおりで製造中止となりました。でも、日本にはけっこうな数が輸入されたと思われます。(*1)

もともとはラスカルというバイクの後継機、というか廉価版として計画されたものだそうです。フレームの構造はラスカルとまったく同じといってもよいですな。

ラスカルとの主な違いは、簡便化された塗装、デカール、溶接処理、といわれていますな。それ以外はほぼ同じ。

ファーバーの素性については、別に詳しく考察してありますのでご覧ください。→こちら

ラスカル/ファーバーには、以下のような特徴があります。

ラスカル/ファーバーを持っている人の共通の悩み、それは1インチヘッドセットと、圧入BBアッセンブリーです。

ヘッドセットのサイズは、すでに1−1/8インチが主流となって久しく、ラスカル/ファーバーに装着することのできる1インチサイズのサスペンション・フォークは、現在ではほとんど生産されていません。あっても、XC向けでないものくらいしかないんです。

また、クラインの圧入BBは、角断面アクスルを採用しているんですけど、最近、シマノがMTBレーシングクラスのコンポーネンツで、角断面アクスルを廃止してしまいました。そして、圧入構造のため、交換することもままなりません。

つまり、部品がなくなってきているんですよ。このことが、ラスカル/ファーバーの寿命を縮めているというのが現状です。最新の部品を使えない。完全に蚊帳の外というわけですな。

実際にはまだまだ山で働けるのに、使える部品がなくて、捨てられてしまう、、、そんな感じなんですよ。

こんな巷の声も聞こえてきそうだ!


「ラスカル/ファーバー、確かにいいかもしれないけど、XTとかXTRクランクを使えないじゃねえ」
「9速にもできないんじゃないの?」(*2)
「そんなんで最新のバイクに互していけるわけない」
「最新の部品を使えないんじゃ、たんなる懐古趣味だね」
「結局は床の間の置物なんだろ? じゃあ、別に旧式部品でも、いいじゃん」

(自分で書いていて、くやしくなってきました、、、なんか、闘志がわいてきたぞ)

、、、近代化する方法は、ないわけではない。状況には勇気と叡知で対抗するのだ。

この企画では、なるべく長くラスカル/ファーバーを第一線で使っていくための近代化改修をしていくつもり。

また、これはピナクル、パルス、アティチュード、アドロイトなど他の全てのオールドクライン・ユーザーの参考になるんじゃないかなーと思います。


(*1)色彩的には、レースレッド、キャンディレッド、ソブリンブルー、ネビュラグリーン、カミュラスグレー、ブラックがありました。ブラックはツヤありで、カタログ外の色ですが、けっこうな数が日本に入ってきたようです。ほかにも特注色があったかもしれません。

(*2)メガ9のXTクランクの最初期モデルは角断面アクスルなので、コレを使えば9速化は可能でした。オクタリンク化されてからはムリですが。


つづく!

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